沖縄県内の農業産出額977億円 19年、前年比11億円減 畜産は過去最高 総合事務局調べ

 沖縄総合事務局は12日、2019年の県内農業産出額を発表した。前年比11億円(1.1%)減の977億円で、2年連続で1千億円を下回った。畜産部門が同10億円(2.2%)増の459億円で過去最高の産出額を更新したものの、サトウキビや野菜などの耕種部門が同21億円(3.9%)減の518億円と減少したことが影響した。

 耕種部門では、県の基幹作物であるサトウキビが同9億円(5.6%)減の152億円だった。同年の梅雨明け後の日照不足で、収量減少につながった。

 野菜は同12億円(7.6%)減の146億円だった。全国的に野菜が豊作だったことで、オクラやトマト、トウガンなどの品目で取引価格が低下した。

 花卉(かき)は同5億円(5.7%)増の93億円だった。

 畜産部門は、肉用牛が同16億円(7.2%)増の239億円で過去最高を更新した。子牛の頭数が増加し、競り価格も高止まりしたことが影響した。豚は前年と同じ132億円だった。

 県畜産課は「新型コロナウイルスや豚熱の影響を受ける前で、好調に推移していた。20年はどこまでコロナの影響が出るか分からないが、引き続き消費拡大に努める」と話した。

 県内の農業産出額は、85年に復帰後最高の1160億円となり、その後は900億円前後で推移した。16~17年は2年連続で1千億円を超え、18年は3年ぶりに1千億円を下回った。

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