Sareee いよいよWWE上陸「夢はベルトとレッスルマニアのメインに立つこと」

Sareeeは渡米前に胸中を語った

【The インタビュー~本音を激白~(20)】 いよいよ世界に羽ばたく――。昨年2月にWWE入りを発表したSareee(24)は国内外で大流行した新型コロナウイルスの影響で米国入りできず、最近まで国内で活動していた。連載「The インタビュー」第20回、新天地にかける意気込みをはじめ、プロレス好きになった意外なキッカケ、夢、日本に残る盟友への思いなどを激白。すでに渡米済みとみられ、デビューが待望される中、本紙に寄せた“ラストメッセージ”とは…。

――WWE入りを目前にして心境は

Sareee 初めてのことだらけで不安と楽しみ半々です。目標? 夢はベルトを巻くこととレッスルマニアのメインに立つこと。あとはWWE所属のまま日本に帰ってきて何かやりたい。もうWWEを日本に持ってくるくらいのつもりです。でもそれはスーパースターになってからなので、まずはしっかり結果を残していきたいです。

――世界を相手に何を見せたいか

Sareee スカウトしてもらったということは、日本でやってきた「ストロングスタイルのSareee」が評価されたからだと思う。だから、今の自分プラスWWEのいいところをすべて一から勉強して吸収していきたいと思います。その上で強さ、戦いを見せていきたい。

――WWE入りも新型コロナウイルスの影響で約1年日本で過ごした

Sareee その間にアントニオ猪木さんや佐山聡さん(初代タイガーマスク)といった偉大な方々にお会いする機会をつくっていただけて。その経験もWWE入りしたからこそできたと思います。猪木さんから「赤が似合う」って言われ、佐山さんからは「楽しんでノビノビと。自分らしさを忘れずに」と言っていただきました。

――最近のWWEは日本人女子が活躍する

Sareee 意識はします。アスカ選手(39)はデビュー2年目くらいにタッグで対戦したことがあるんです。今スーパースターになってるのはすごい。近くで見て勉強し、いつか対戦したい。(紫雷)イオさん(30)とは戦ったことも話したこともないので楽しみです。(NXT・UKに参戦中の)里村(明衣子=41)さんには勝手に運命を感じてます。10年前に里村さんとのシングルマッチでデビューしているので。一緒に盛り上げていけたらうれしい。

――プロレスが好きになったきっかけ

Sareee 小学校1年生の時、お父さん(準一さん)がプロレス大好きで、歩いてたらたまたま女子プロレスやってて入ったらしいです。一気に好きになってからは毎週見に行って。元気美佐恵さん(48)が好きで、アメージング・コング(43)がいて怖かったです。チョー、逃げました(笑い)。あのころは許せなかった、アメージング・コングが。みんな負けちゃうから。

――WWE入りが決まって家族の反応は

Sareee お母さん(百美さん)はメッチャ心配してます。お父さんは…寂しいみたいですね。毎大会、見に来ていて自分の試合が生きがいみたいなので。だからお父さんのためにも早くデビューしないと!

――キャリア10年を振り返って

Sareee もう全てプロレスでしたね。中学卒業してすぐ入ったので、人生のすべてを教わった感じです。この間までディアナに所属し、大事に育てていただいた。「付け人」とか制度で大変なこともあったし、上下関係や人間関係とか大変なこともありましたけど、全部がいい経験でした。ディアナだけじゃなくて大人の事情とか、いいことも悪いことも全部含めて勉強させてもらいました。10年間、最初はつらいこともあったけど、楽しいことが増えて、その結果がWWEだと思うし頑張ってきて良かったなって思います。

――やり残したこと

Sareee 女子プロレス大賞を取ってないとか、いろいろあるけど、自分の中でひと区切りついてますね。言霊ってあると思うんですよ。言い続けていれば夢はかなうって。「チャンピオンになりたい」って言い続けてベルトを取れましたし。「世界一になりたい」と言っていたらWWEからオファーが来てチャンスが舞い込んだ。だからこれからも「無理だ」って言われることでも自分だけは信じていこうと。

――最後にライバルの世志琥(27)について

Sareee 世志琥から「頑張ってこい」って言われましたね。世志琥は日本で、自分は世界で活躍し、いつかリング上で再会したい。その時は大きな舞台で。タッグもそのための運命だったと思うんです。「日本最強」と「米国最強」の試合をできたらいいですね。どんな試合になるのか、本当に楽しみしかないです。

【トリプルHのラブコールでWWEへ】SareeeのWWE入りが動き始めたのは2019年だった。最高執行責任者(COO)のトリプルH(51)がラブコールを送ったことを受け、同年6月の東京・両国国技館大会で極秘会談が行われた。

それ以降、交渉を重ねた結果、WWE入りが確実となり、昨年3月に渡米が決定。しかし新型コロナウイルス禍の影響を受けていったん白紙になった。約半年もの間試合のできない状態が続いていたが、自らWWEに直訴した結果、異例の措置で「WWE Count Down」として国内での活動が認められた。

その後、ライバル世志琥とのタッグを結成するなど精力的に活動。今年1月17日には自身のツイッターで「最終手続きが終了次第、渡米することが決まりました」と発表した。2月23日に飛行機内から撮影したと思われる写真を投稿し、渡米を示唆した。

☆サリー 本名・藤村沙里。1996年3月31日生まれ。東京・板橋区出身。2010年に井上京子のもとで練習生になり、11年に旗揚げしたディアナ入りした。同年4月に里村明衣子戦でデビュー。17年2月にシードリングに移籍するも、同年10月にディアナに復帰した。20年2月にWWE入りを発表した。158センチ。

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