【ノア】GHCナショナル王座戦前哨戦は野獣・藤田が王者・拳王を圧倒

拳王(手前)を締め上げる藤田

ノア福岡国際センター大会が14日に開催され、GHCナショナル王者の拳王(36)が、次期挑戦者の野獣・藤田和之(50)と激突。野獣が再試合の末、最後の前哨戦を勝利で飾った。

3月21日後楽園ホール大会で藤田とのV7戦が決まった拳王は「金剛」の覇王(36)、仁王(39)を引き連れて登場。一方の藤田は参謀格の悪魔仮面ケンドー・カシン、NOSAWA論外(44)の杉浦軍でリングインした。

いきなり先頭を買って出た両雄は、まるで昨年3月後楽園で当時のGHC王者・潮崎豪(39)と藤田が30分にらみ合った時のように、お互いが目をそらすことなくリング中央で視殺戦を展開する。

拳王が先にゆっくり間合いを詰めると、いきなりロックアップ。張り手の応酬から、藤田がグラウンドで強引に首を押さえつけ、足と首を同時に決めて見せた。

ここで7日横浜武道館で拳王に敗れたカシンが入ると、覇王に急所打ちから仁王にタランチュラ式首4の字。しかし試合そっちのけで拳王は、場外で藤田に蹴りを見舞う。

カシンは花道で仁王にイスでラクダ固めを決めると、その横で藤田が拳王をスリーパーで捕獲する。だが試合権のあるカシンは、リングに戻る気など毛頭なく何と両軍リングアウトとなってしまった。

さすがに怒った拳王が「おい、最後の前哨戦、これで終わりかよ! 再試合やるぞ、ゴングを鳴らせ!」と絶叫。野獣もこれに応じ再戦のゴングが鳴らされた。拳王が蹴りのラッシュを仕掛けると、藤田はエルボー連打から強烈なスタンディング式スリーパー。あわや失神かと思われたが、頭部へのハイキックで王者の意地を見せた。

金剛は3人がかりの攻撃に出て拳王は野獣に蹴暴(PK)を見舞うも、カシンが場外で王者を押さえつける間、藤田が覇王と仁王を蹴散らし、最後はパワーボムで覇王を沈めた。試合後は一度、ナショナルのベルトを肩にかけた野獣は、不敵な笑みを浮かべ、王者をにらみつけるて意気揚々と引き揚げた。

最後の前哨戦までカシンの陽動作戦に惑わされて、勝負を失った拳王。本番での逆転はなるのか。

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