坂本龍一 北京で開催予定だった展覧会の設営スタッフが死亡事故

坂本龍一

音楽家の坂本龍一(69)が中国・北京で開催する予定だった展覧会で設営スタッフの死亡事故が発生していたことがわかった。坂本は14日夜、自身のインスタグラムでお悔やみコメントを発表した。

「Ryuichi Sakamoto:seeing sound,hearing time」と題された同展覧会は、坂本の過去最大規模の個展として今月15日から8月8日まで北京の木木美術館で開催予定だった。同美術館のSNSなどによると、9日午後に設営スタッフが誤って転落。緊急搬送されたが、その後亡くなったという。美術館は一時閉鎖、展覧会は延期される見通しだ。

坂本は「みなさまへ」と題したコメントを英語、中国語、日本語で発表。

以下、全文。

私の展覧会の設営作業中に美術館建物内で人身事故が起きてしまったことは痛恨の極みです。病床の私も大きなショックを受けています。まずは、亡くなられたご本人とご遺族に心からのお悔やみを申し上げます。

同時に、木木美術館が総力をあげ、不眠不休でこの事故に誠意をもって対応してくれている姿を見て、「ああ、この人たちと仕事ができてよかった」と思いました。このような危機の時に、その人の本当の姿が露わになるからです。

また、数十人の中日混合の設営作業チームが、まさに一つのチームとして、昼夜を問わず展示実現のために精一杯働いてくれている姿に感動を覚えます。

まもなく設営が完了する最終段階で、このような悲しい事故が起きてしまい本当に残念でなりません。私自身も美術館も、そして関わった皆が精一杯、哀悼の気持ちを表したいと思っています。

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