ソフトバンク・和田「今年一番意味のある登板」教育リーグで見つけた〝答え〟

和田が求めていた〝答え〟とは…

筑後見参の狙いは――。ソフトバンク・和田毅投手(40)が14日の春季教育リーグ・中日戦(タマスタ筑後)に先発。7回8安打2失点の内容に「結果は全然よくなかったけど、意味のある登板になった」と、うなづいた。ロッテとの開幕カード第3戦(28日・ペイペイ)の先発は早々に決定。この日、千葉で一軍がロッテと戦う裏でミッションを遂行していた。

春季キャンプから調整は順調だった。だが、本人は「なんで抑えられているのか…気持ちが悪かった」と結果と感覚のズレに人知れず苦悩。その原因を突き止めることがミッションだった。

この日、バッテリーを組んだのは「僕がこれまで一番組んでいる捕手」と言う高谷裕亮捕手(39)。左ヒザ手術からのリハビリ中の高谷は3イニング限定のマスクだったが、和田が任務を遂行するには十分だった。「ずっと〝見てもらっていない目〟だから、フォームの違和感に気づいてもらえる」。初回2点を奪われた直後、指摘を受けてフォームに微調整を加えると「相手の反応が変わった」。求めていた修正点が見つかり、和田は「今年一番意味ある登板になった」と充実感をにじませた。

任務を果たして終わりではないのが、鷹のレジェンドたるゆえんだ。4回からはドラフト3位ルーキー・牧原巧汰捕手(18=日大藤沢)に英才教育を施した。「首を振る意味があるところでは連続して振った。身を持って分かってほしかった。早いうちに知っておいた方がいいと思うこともあるので」。将来性を見込んでの愛ある首振りで、鷹の未来につながる重要任務も同時に遂行していた。

最年長捕手に施され、最年少捕手に施す――。「こっちに来て、いろんな意味でよかった」。その笑みに、答えがあった。

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