【フィリーズレビュー】シゲルピンクルビーが混戦を制して重賞初制覇 半姉が果たせなかった桜冠へ前進

混戦を断ったのは8番人気のシゲルピンクルビー(ゼッケン5)だった

上位3頭に桜花賞の優先出走権が与えられるGⅡフィリーズレビュー(阪神競馬場芝内1400メートル)は、単勝10倍台以下が9頭という混戦模様に…。勝ったのは好位の内で脚をため、直線でしぶとく末脚を伸ばした8番人気シゲルピンクルビー(渡辺)だった。タイトル獲得の一方で課題も顕在化…。果たして本番で既存勢力の上位組を脅かすことはできるのか?

先行集団を見ながら好位内の絶好位置をキープ。折り合ってスムーズに追走したシゲルピンクルビー。直線では、慌てることなくスペースが開くのを待って外に持ち出し、粘り込みを図るヨカヨカをゴール直前で競り落とした。

初タッグで勝利に導いた和田竜は「調子が良かったし、最後もひと伸びしてくれた」と充実の表情で語った。前走の阪神JF17着から巻き返した理由については「ノドの不安があると聞いていたけど、新馬戦のイメージを持って乗った。枠もスタートも良かったし、わりとイメージ通りにいけました」。考えていた通りの競馬ができたようで「最後は届かないかとも思ったけど、坂を上ってからも頑張ってくれた」とパートナーをたたえた。

本番の桜花賞へ向けては「1ハロンの延長をどう考慮するか。さらに調子は上がってくるだろうし、勝って本番を迎えるのは何より」とデキの良さで乗り切る構えだ。

一方、レースを終えて戻ってきた和田竜を、万歳ポーズで迎えた渡辺調教師は「競馬が上手で操縦性が高いね。前走後に休ませて状態も良くなっていたし、ジョッキーも上手に立ち回ってくれた」とまずは馬と騎手を称賛。そのうえで桜花賞へ向けては「ノドに持病があり、距離の延長がカギにはなりそう。まだ緩さが残っている段階。前のめりなところがあるので、もう少しトモが起きてきてほしい。操縦性が高い半面、現時点の完成度という点では姉(シゲルピンクダイヤ)と比べるともう一歩かな」とチューリップ賞→桜花賞をともに2着した半姉と比較して課題も口にした。

クビ差2着のヨカヨカも阪神JF(5着)に出走していた馬で、改めて昨年暮れの2歳牝馬頂上戦の強さを示した形ともいえる今年のフィリーズレビュー。その上位組のソダシ、サトノレイナスらが待ち受ける本番でどこまで迫れるか…。残り1か月の過ごし方が非常に重要になる。

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