【金鯱賞】3冠牝馬デアリングタクトの今年初戦は2着 松山「思った以上に馬場が悪かったです」

まさかの敗戦も地力は示したデアリングタクト

中京競馬場で行われたGⅡ金鯱賞(芝2000メートル=1着馬に4・4大阪杯優先出走権)は、10頭立て最低人気のギベオン(牡6・藤原英)が、無敗で牝馬3冠を達成したデアリングタクトをクビ差抑えて逃げ切り勝ち。4歳初戦はまさかの2着に終わった。

無敗で牝馬3冠に輝いた女傑も、前日に長時間激しい雨にさらされたタフな馬場にてこずったようだ。控えて中団で運ぶのはいつもの“デアリングタクト・スタイル”だったが、異変は直線を迎えてから。いつもなら際立つ末脚でライバルを一掃するのに、思うように伸びない。ラスト100メートルはさすがの脚で逃げるギベオンを追い詰めたが、クビ差届かず2着に終わった。

松山は「できれば逃げ馬の後ろにつけたかったのですが、ポジションが取れなくて。でも折り合いはつきましたし、いい形で脚はたまったと思ったのですが…。思った以上に馬場が悪かったですね。人気に応えられず申し訳なかったですが、力のあるところは見せてくれたと思います」と悔しさを押し殺し、レースを振り返った。

その一方で「休み明けでも落ち着きがあって、前走(JC3着)のデキをキープしていました。モタれる面も見せなかったですね」と従来抱えてきた課題に関して成長の跡を確認できたようだ。

杉山晴調教師も「以前に重馬場(桜花賞)で勝っているとはいえ、牝馬同士。牡馬相手では厳しかったですね。それに桜花賞は当日が雨でしたが、今回は前日が雨。乾いていって前が残る特殊な馬場でしたから。内容的には合格点だし、ここを使って良くなるはずです」と一定の評価を与えた。

この後は予定通り、香港のGⅠクイーンエリザベス2世C(4月25日・シャティン芝2000メートル)を視野に調整を続ける。

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