DeNAと育成契約の宮国椋丞が入団会見「僕の中では打倒ジャイアンツという気持ち」

入団会見に臨んだ宮国(ⒸYDB)

DeNAは15日、昨季限りで巨人から戦力外となった宮国椋丞選手(28)と今季の育成選手契約を結ぶことで合意したと発表。同日に横浜市内の球団事務所でオンラインによる入団会見を行った。

スーツ姿で会見に臨んだ宮国は球団側からオファーを受けたことに「素直に大変嬉しい。時期も時期だったので正直少し諦めかけていた気持ちもあったが、こうやってお話しをいただけたことは凄い感謝しています」と喜びの表情を見せつつコメント。

昨年12月にトライアウトを受験して以降も拠点としている神奈川近辺で調整を続けていた。3月上旬にDeNA側から連絡が入り、二軍施設でスカウトや関係者が見守る中、ブルペンで変化球もまじえた試投を行って〝テスト〟を受けると朗報が舞い込んだ。

「這い上がる気持ちでいる。まずはスタートラインに立たせてもらったことに感謝しつつ、支配下登録を目指し、一日でも早くチームの勝利に貢献したい。体作りだったり、そういったものはしっかりやってきた。週に2回ぐらいブルペンに入り、100球ぐらい投げていたのでいい状態にあると思う」と述べ、言葉に力を込めた。

巨人時代の9年間は先発、中継ぎで活躍し、通算205試合登板。プロ3年目となる2013年シーズンは20歳で開幕投手に任命されるなど実績も申し分ない。

会見に同席した三原球団代表は「自由契約になったときからウチのスカウトが見ていた。今年に入ってから『調子が良くなってきたようだ』という報告を受け、ウチの二軍の施設に来てもらい、獲得に至ったということ。チーム事情としては非常に厳しい状況ではありますけれども、外国人の今の状況があったから獲ったということではない」と説明。現在のDeNAは新型コロナウイルスの感染拡大による影響でビザ発給が凍結となり、外国人選手の来日にメドが立たなくなっているが、同代表は「チーム事情があったからではない」と念を押した。それでも先発、中継ぎの両面で経験豊富な宮国の獲得によって、助っ人不在の穴を埋める戦力補強につながることは間違いない。

チームは、まず先発として調整させる方針を固めている。宮国は「(DeNAは)チーム、ファンが一体となって戦っている印象。一日も早く横浜スタジアムのマウンドに立って勝利を見せられるように。リーグ優勝を目指して、いい戦力となれるように頑張りたい」。そして「敵」となる古巣についても「リーグ優勝、2連覇しているので僕の中では打倒ジャイアンツという気持ちでやっていきたい」と言い切った。

YGから〝ハマの宮国〟へ――。球界内には「もともと潜在能力は抜群だが、まだ本来の力をすべて出し切れていない」との声もある。それだけに新天地で大化けする可能性は十分。28歳右腕の今後が大いに注目される。

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