元総務大臣や同省幹部との会食認めた澤田社長が苦しい弁明 野党議員は「ご飯論法だ」と激怒

立憲民主党・福山哲郎幹事長

NTT(日本電信電話株式会社)の澤田純社長(65)は15日に行われた参議院予算委員会の集中審議で、菅義偉首相(72)の長男が勤める「東北新社」から総務省幹部らが繰り返し接待された問題などで陳謝を連発した。

質問に立った立憲民主党の福山哲郎幹事長(59)は、澤田氏に対し総務相を歴任した菅首相との会食の有無について質問をぶつけたが、澤田氏は「個別の会食については控えさせて頂きたい」と明確な答弁を拒否した。

また「週刊文春」で報じらた元総務相の高市早苗衆院議員(60)との会食については「週刊誌に出ていたことで、議員の方々が公表された分については主に事実だ。(公表されていない)それ以外の個別の案件については控える」と話し、NTT幹部と国家公務員や政務3役との会食は「常態化しているわけではない。基本的にいろんな識者の方に、意見交換会をさせていただいている。適宜、事業の中で考えてやらせていただいている」とした。

福山氏がNTT社内で定めた「贈賄防止ハンドブック」に「違反したのではないか」と追求すると、澤田氏は「疑念、疑いと言われるような印象を与えたことは大変申し訳ない」とした上で、業務上の要請をしたり、便宜をはかったりしていないとして「ハンドブックの規定には、反しないと考えている」と答えた。

高市氏との会食は認めたが、菅首相との会食は認めず、業務上の依頼や便宜を受けたことを否定した澤田氏。野党議員は「福山氏の質問に正面から答えず、論点をずらして逃げる〝ご飯論法〟を使った」とあきれた。

「澤田氏が直接、大臣に業務上の便宜を図る依頼はしていないとは、当たり前すぎる答弁です。一流企業の社長が、大臣に高級接待してハイヤーでお見送りした意味とは、常識でみれば、実務的な話は後日、お互いの部下(NTTと総務省)同士で進めるという意味に解釈できます」と野党議員は怒っている。S

© 株式会社東京スポーツ新聞社