街に400冊の本お届け 日向高生、ネットで資金調達

日向高の生徒から本が届けられた、日向市のカフェ

 進路支援と地域活性化を目指し、日向市・日向高(星衛俊一郎校長、542人)の3年生有志がインターネットで資金を募る「クラウドファンディング(CF)」を活用し購入した本を配布した。生徒は「知識や店の人との会話が増えるきっかけになれば」と期待する。
 CFは3年生9人が企画。コロナ禍で休校になるなど受験や進路に対する不安が芽生え、取り組みを開始。昨年7月から約1カ月で、約119万円が集まった。
 高額な経済書や地域創造、食にまつわる専門書など400冊を購入。学校の図書室に置いたほか、街のにぎわい創出につなげようと、飲食店、カメラ店など市内10店舗にも配った。
 各店のコンセプトに合った内容の本を選び、家族連れが多い店には絵本を置く工夫も。店側は「提供する料理の特徴をお客により知ってもらえそう」「本で店側も勉強したい」など、感謝していた。
 フロンティア科3年の金田葵さん(18)は「協力してくれた方々のおかげでここまでできた。今興味のあること以外の分野にも手を伸ばすきっかけにしてほしい」と活用を呼び掛けていた。

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