荒磯親方が「もし、あのときの自分に戻れるとしたら」やってみたいこととは?

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東海ラジオ『荒磯親方 横綱人生道』(月19:00~19:15)は、第72代横綱・元稀勢の里の荒磯親方が、相撲道で培った人生観、さらに幅広く、横綱の人生道を大いに語る番組。3月8日の放送は、横綱昇進直後の本場所の話から始めた。新横綱・稀勢の里として臨んだ平成29年(2017年)3月場所は、その後の横綱人生を大きく変えることとなった。

荒磯親方は、横綱昇進後の最初の場所で、劇的な逆転優勝を果たした。千秋楽の一番に勝って追いつき、優勝決定戦も制しての優勝。大きな感動を呼んだ背景には、左肩の大けがをおしての出場があった。13日目の取り組みで負った怪我について、荒磯親方は「バシッと切れた音が全身に響いた。かなりの痛みだった」と振り返った。

千秋楽の2番については「それこそ、冷静沈着。無の境地。空の状態。意識したのはそれだけ。あとは体が勝手に動いてくれる。体でやれるんだという気持ちで土俵に上がった」そうだ。そして「(取り組みの)前の日にはどういう作戦で行こうか考えるが、当日、土俵に上がったら、精神的には、そんな(無の境地。空の)状態がベストだと思う」と話した。

その「無の境地」に達することについては「勝ち負けは表裏一体。負けの逆を思えば勝ち。それは意外に簡単なことかもしれない。問題を簡単にすることで、正解に導かれるのだと思う」としたが「アスリートの趣味は考えること、悩むこと。それが大好き。それが大事なときもあるが、上(の地位)に上がって年齢を重ねると、シンプルに考えたほうが、物事はうまく進んで行くことになる」と持論を展開した。

しかし、感動の逆転優勝の代償は大きく、その後は休場を繰り返し、満足な成績を残せないまま、引退に追い込まれた。荒磯親方は「最高位に上がってからの怪我との付き合いで、結果として、怪我を克服できずに、引退したので、前の自分に戻れるとしたら、大けがをした直後に戻りたい。そこで、改めて、どういうアプローチができたら、よくなっていたか。もっといい方法があったのか、考えてみたい」と話した。それは、それが可能であれば「力士に怪我をさせないために何ができるか、怪我をしてしまったときにどういう対応ができるのか、考えていきたい」という、指導者としての気持ちの表れだろう。

荒磯親方 横綱人生道

放送局:東海ラジオ

放送日時:毎週月曜 19時00分~19時15分

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