【春場所】カド番・貴景勝が上々発進 先場所の負傷&途中休場で見えてきた〝適正体重〟

今場所は動きに鋭さも戻った貴景勝(手前)

好調の要因は? 大相撲春場所2日目(15日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(24=常盤山)が小結大栄翔(27=追手風)を突き落として2連勝。初場所の優勝力士との一番を「実力があるので、自分も向かって行く気持ちでやりました」と振り返った。

昨年11月場所で2年ぶりの優勝を果たし、初場所は自身初の綱取りに挑んだ。しかし、初日から4連敗と不振を極め、その後は左足首を痛めて途中休場。横綱昇進のチャンスから一転、カド番を迎えることになった。それでも「弱いから負けるんです。強ければ勝つし。まだまだもっと強くならないといけないということ」と言い訳をせずに調整に励んできた。

その大関に変化が表れたのは2月の健康診断。体重は166キロで、昨年秋場所前に公表された前回体重183キロからキロも減少していた。本人は「鍛え方を少し変えたら体重が少し落ちた感じ。体を絞る鍛え方? そういう意図は別にない。飯食ってないとか、そういうことはない」と話すにとどめたが、減量がプラスに作用している可能性が高い。

実際、初優勝を飾った2018年九州場所が170キロで大関昇進を決めた19年春場所は169キロ。〝適正体重〟に戻したと見ることもできる。初日から2日間の内容も、パワーだけでなく動きの良さが目立つ印象。審判部副部長の高田川親方(53=元関脇安芸乃島)も「動きとリズムがいい。(大栄翔との一番で)最後は引いたが、リズムがあるので引きも利く。今場所は好調じゃないか」と指摘した。

貴景勝は「毎日が初日だと思って頑張っていく」。先場所の屈辱をバネに完全復活を目指す。

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