1本で千円 高級和牛の串焼きを無料で配る 沖縄の店が「コロナ禍の生産者を応援したい」

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和牛串焼きを客に手渡す佐藤晃介オーナー(左)

 コロナ禍で飲食店と共に打撃を受けている生産者や卸売業者を応援しようと、沖縄県浦添市仲間の肉料理専門店「ヤンバール」が2月25、26日の両日、希少部位を使った高級和牛串焼き約90本を客約30組に無料配布するキャンペーンを行った。オーナーの佐藤晃介さん(44)は「飲食店に払ったお金が卸売業者、生産者にも渡ることをお客さんにも意識するきっかけにしてほしい。自分たちも苦しいが少しでも生産者を応援したい」と力を込めた。(浦添西原担当・宮里美紀)

 佐藤さんがこのキャンペーンを考えたのは、時短営業中の同業者とのオンライン会議がきっかけ。どの飲食店も経営が苦しいが、一緒に売り上げが落ち込む生産者や卸売業者には時短協力金がないことが話題に上り「その夜は寝付けないほどもやもやした」という。

 翌朝、知人の同業者が生産者応援と銘打ち、無料で料理を振る舞っていると知って共感した。しかし、コロナ禍前と比べてヤンバールの売り上げも少ない月では約8割減った。1人の力は限られており、この方法が正解かも分からないと迷ったが「一歩でも踏み出そう」とキャンペーンの実施を決めた。

 県内生産者の応援のため、日頃取引している三つの卸売業者から、県産もとぶ牛A5ランクの希少部位「ザブトン」「リブ芯」を約10キログラム仕入れた。熟成させている間にお店の公式LINEで思いを投稿。本来は1本千円程度で売る和牛串焼きの無料受け取り日時の予約を募った。

 25日、炭火で焼きトリュフ塩の味付けをした和牛串焼きを受け取りに客が訪れた。会社員の桑江良幸さん(55)=宜野湾市は「弟も飲食関係だから大変さが分かる。少しでも力になれたら」と総菜も購入した。

 和牛を卸したミート當山の當山大助代表(43)は「業者のつながりを再認識させられた。ありがたい取り組み」とうれしそう。

 佐藤さんは「みんな余裕はないが少しでもこの取り組みが広がり、助け合えたらうれしい」と願った。現在は2回目のキャンペーンに向けて準備を進めている。

無料配布された和牛串焼き=2月25日、浦添市仲間・ヤンバール