石木ダム建設事業 工事中止、住民との対話 反対4団体が県に申し入れ

申し入れ書を手渡し抗議する炭谷代表(右)=県庁

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に伴う県道付け替え道路工事で、「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」(炭谷猛代表)など市民4団体は15日、県庁を訪れ、工事の中止や住民との対話を求める中村法道知事宛の申し入れ書を提出した。
 炭谷代表や支援者ら約20人に、県河川課の浦瀬俊郎課長が対応した。
 反対住民らが抗議の座り込みを続ける区間の盛り土工事の工期が今月末に迫っている。これまで住民は「対話は工事の中断が条件」などと主張。県は対話を模索する一方、「できる範囲で進める」として先月から座り込み場所の付近に「安全対策」の土のうなど仕切りを設置して土砂を搬入した。支援者らが仕切りを越えて動く重機に近づくなど抗議を続けている。
 申し入れ書は、土砂搬入に抗議し工事の即時中止と対話を求める内容。水没予定地に住む炭谷代表は「工事を止めないと話し合いもできん。知事の姿勢が見えない。そう伝えて」と要望。浦瀬課長は「意見は知事に伝える。話し合いについては検討中。もう少し時間をいただきたい」と答えた。
 盛り土工事の今月末の工期内完了は難しい状況。また、年度内着工を目指す本体工事の一部も工期内完了は難しいもようで、県はいずれも工期を延長する方向で検討している。

© 株式会社長崎新聞社