囊胞腎(のうほうじん)の形成に関わる新たな遺伝子を発見

2021.03.16
早稲田大学

本発表の詳細は、早稲田大学のホームページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/72092

■発表のポイント
・嚢胞腎において、微小管結合タンパク質CAMSAP3の変異遺伝子が嚢胞を形成していることを発見した。
・CAMSAP3が変異すると、微小管の整列に異常が生じ嚢胞の形成を引き起こすこと、老化とともに嚢胞の範囲が拡大していくことを見出した。
・難病に指定されている多発性囊胞腎の予防法や治療法の確立に繋がることが期待される。

■概要
早稲田大学理工学術院の戸谷 美夏(とや みか)准教授および佐藤 政充(さとう まさみつ)教授、理化学研究所生命機能科学研究センター(BDR)竹市 雅俊(たけいち まさとし)客員主管研究員(研究当時:高次構造形成研究チームリーダー)らの研究グループは、尿細管が肥大化して内部に水分がたまる病変である嚢胞腎において、微小管結合タンパク質CAMSAP3(カムサップスリー)の変異遺伝子が嚢胞を形成していることを発見しました。
CAMSAP3が変異すると、微小管の整列に異常が生じ嚢胞の形成を引き起こすこと、また老化とともに嚢胞の範囲が拡大していくことを見出しました。本研究成果は、難病に指定されている多発性囊胞腎の予防法や治療法の確立に繋がることが期待されます。
本研究成果は、2021年3月12日(金)にSpringer Nature社『Scientific Reports』のオンライン版で公開されました。

■論文情報
雑誌名:Scientific Reports
論文名:Cyst formation in proximal renal tubules caused by dysfunction of the microtubule minus-end regulator CAMSAP3
DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-021-85416-x