休場の白鵬 右ヒザの水9回抜いていた「明らかにおかしい」

コロナ後遺症なのか…

大相撲春場所3日目(16日、東京・両国国技館)、横綱白鵬(36=宮城野)が休場した。

この日、日本相撲協会に「右膝大腿関節軟骨損傷、関節水腫」との診断書を提出。診断書によると、手術加療を要し、術後2か月のリハビリ加療を要する見込みだという。

白鵬は昨年8月に右ヒザを手術。復帰に向けて調整を続けてきたが、不安を抱えたまま今場所を迎え、2日目の取組後は懸賞を受け取るときに立ち上がる場面も見受けられた。

これで5場所連続休場となった横綱に異変が起きたのは、新型コロナ感染後だった。自宅静養を終えて1月25日に稽古場の土俵でしこを踏むと、同31日に右ヒザの違和感を関係者に訴えたという。この日、電話取材に応じたトレーナーの大庭大業氏は「ヒザに水が溜まっていて、2月1日から昨日(3月15日)まで計9回抜きました」と振り返る。

初場所出場を目指して精力的に稽古に励んでいた昨年12月は「すごく状態が良く、仕上がっていた」ものの、コロナ感染で状況が一変。「こんなに繰り返し、慢性的に水の溜まるのは初めて。『関節水腫』といって血が混ざったりしていました」

当然、新型コロナと右ヒザの症状の因果関係は明らかになっていない。しかし、大庭氏は「個人的な意見としては、こんなに水が溜まるのかな、繰り返すのかな、なかなか引かないのかなと。医療の立場ではないので分からないですけど、明らかにおかしくなっている」と指摘する。

東日本大震災から10年というタイミングや、横綱の責任から「(本人は)やっぱり落ち込んでいますね」と大庭氏。早ければ今場所中に再び手術を受ける予定だ。

術後は約2か月のリハビリ期間を要するため、夏場所の出場は不透明。それでも師匠の宮城野親方(63=元幕内竹葉山)は「(次に進退を)かけると本人が言ってきた。『名古屋で最後、かけます』と」と明かす。優勝44回の大横綱はどんな決断を下すのか。

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