KDDI・三重大学・鳥羽市など、5GやIoTを活用した「海洋DX」推進に向けて連携協定を締結

現在の水産業現場では、生産技術に関して生産者の経験や勘への依存度が高く、また環境変化による不安定な漁獲・生産量や、厳しい労働環境もあいまって漁業就業者の減少と高齢化が進んでいる。国立大学法人三重大学 大学院生物資源学研究科、独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校、三重県 水産研究所 、鳥羽市、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所は、三重県内の5GやIoTなどを活用した水産業のDX「海洋DX」の積極的な展開を目指し、連携協定を締結した。同協定で6者は、三重県における水産現場の課題解決に対し、三重県内の漁場や養殖現場でIoTを活用した海況観測器によるデータ取得や、海の磯焼けによる藻場の減少・生態変化について「空中・水中ドローン」による撮影映像を用いた解析などの海洋DXを実施する。詳しい内容は以下の通り。

  • スマートブイ、ドローンなどによる海洋観測データ、海中画像データ取得による可視化ならびに、データ連携による解析から予測を行うための新技術開発の共同開発を推進。
  • 通信技術を基盤に、AI画像認識およびセンシング技術を用いた漁獲・環境データの取得と解析に関する研究・実験を通し、漁業のDX化による生産の安定化、作業の効率化に向けた実装。
  • 生産領域のみならず、加工、流通、販売などの水産バリューチェーン連携を目指した地域ネットワークとのビジネスモデルの構築。
  • 海洋DXに関する技術講習会や共同開発を通じて、地域で海洋DX活用の中心的な役割を担う人材を育成するほか、学生・若者などに対して海洋DXの魅力発信と教育を行い、海洋DXへの関心を喚起し、開発・活用人材を育成する。

今後6者は、同協定に基づき、産学官の連携による最新技術の情報共有や共同研究、フィールド試験などを通じてスマート水産業を促進し、安定した漁獲や生産に向けた仕組みの構築を進めるとした。

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