サッカー日韓戦めぐり “暴論” 合戦ドロ沼化 世論過熱で「東京五輪ボイコット」に発展も

試合会場となる日産スタジアム

サッカーの日韓戦(25日、日産)を巡って両国の世論による応酬がドロ沼化している。

韓国では新型コロナウイルス禍での日本遠征に反対する世論が高まる中、同国メディア「メディアス」が「あえて感染状況が深刻な日本で、しかも放射能汚染まで甘受して試合を行わなければならないのか」と2011年の東日本大震災で起きた福島第1原発事故まで持ち出す〝暴論〟を振りかざして反対を主張した。

韓国サッカー協会にも同国のファンなどから開催への抗議が殺到しており、公式SNS上では「日本は放射能天国、コロナ天国だ。(日本遠征で)誰が喜ぶのか」「(試合会場の)横浜は大地震の予想地域だ」などと罵詈雑言の嵐となっている。さらに、日韓戦に対する逆風は東京五輪にまで〝飛び火〟した。

韓国メディア「スターニュース」は「韓日戦を控えて険悪な両国の世論。日本のファンからは『五輪も来るな』」と題して、日本で湧き起こっているファンの声を報道。「東京五輪も来なければいいだろう」「五輪のボイコット請願はないのか」と韓国のファンに対して、日韓戦に反対するなら東京五輪への参加も辞退すればいいとの声が上がる現状を伝えた。

実際、韓国では以前から日本のコロナ禍の現状を懸念して、東京五輪への選手団派遣をボイコットするべきという主張が根強くある。最近もSNS上には「韓国選手は東京五輪をボイコットしてくれ」「〝倭寇五輪〟をボイコットせよ」など過激な表現を用いた主張が投稿されており、もはや収拾がつかない状態だ。

ただでさえ日韓関係は政治的な要因によって近年は悪化の一途だが、サッカー日韓戦の開催を契機にスポーツ界全体まで波紋が広がっている格好。ヒートアップする両国の世論を背景に、親善試合では10年ぶりとなる〝大一番〟は不穏なムードが高まるばかりだ。

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