西武注目の117キロ巨漢ドラ1・渡部がホロ苦初実戦 辻監督は「甘くない」

巨体を揺らして必死に一塁へ走る渡部

西武のドラフト1位ルーキー・渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大)が、16日の広島とのオープン戦(メットライフ)で実戦初出場。打っては投ゴロ、守って初失策のホロ苦いデビューとなった。

注目の117キロ巨漢ルーキーは6回の守備からブランドンに代わって途中出場し、7回の初打席で広島3番手・ケムナのカーブに泳がされ投ゴロ、守備でも8回、高橋大の三塁線の痛烈な打球を弾き初失策を記録した。イニング間のボール回しでも遊撃手・山田がお手上げポーズの暴投を犯すなど、初の一軍戦で地に足がついていなかった。

試合後、渡部は「ものすごく緊張感があった。打撃が自分の売り。(ヤマを)張ったボールはとらえるようにしないと、いい投手は攻略できない。次は積極的に行きたい」と前を向いた。

辻監督は「まだまだ、そう甘くはないです。いろいろとコーチと話をして、もともと見ていない選手を見たいと思っていた」と今回の一軍・A班合流について言及した。

期待のドラフト1位ということもありキャンプのA班スタートが内定していた渡部だが、大学最後に痛めた右肩痛の影響からB班スタート。ここまでオープン戦はおろか、全体のフォーメーションプレーにも参加していないことから一、二軍が本拠地にいるこの時期に一軍の雰囲気を感じ自分に足りない課題を明確にするお試し昇格であることは明白だ。

チーム関係者が渡部の課題を「高校、大学と全国的に注目されたいわゆる名門で、もまれてきたわけではない。細かい意識の面をまずプロのレベルに上げる必要がある」というように目の前のテーマはプロの水に慣れ、1年間戦える基礎体力をつけることだ。

同じ大卒で2度の本塁打王に輝く4番・山川でさえ一軍に定着したのは4年目から。中村、山川に続く〝ぽっちゃり三男坊〟渡部のレギュラー取りの道のりはこれからが厳しい。

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