楽天・浅村〝待望1号〟も「まあ、とりあえず」 オープン戦不振は心配無用か

ようやくの一発も浅村自身はいたってマイペース

実績ある選手のオープン戦成績は、やはり「度外視」でいいのか。楽天の主砲・浅村栄斗内野手(30)が16日のオリックス戦(静岡)で今季オープン戦第1号を放った。

2点を追う4回一死で迎えた第2打席。カウント1―1から相手先発・田嶋の内角直球を捉えると、打球を軽々と左翼席中段に運んだ。

「久しぶりの一発? まあ、とりあえず出たので。うまく反応できました」

途中交代後、こう話した浅村だが、実はこの試合前までのオープン戦打撃成績は6試合で9打数1安打(3四球)と低迷。5試合連続で安打すらなく、周囲からも昨季120試合で32本を放った本塁打王の状態に「調整はうまく行っているのか?」という不安の声がささやかれていた。

だが一発を放った後、本人は調整具合について「自分がやりたいことが試合でもできています」と満足げ。さらに涼しい顔でこう続けた。

「球に対しての反応だったり対応だったり。そういうところを徐々に詰めていきながらやっている。相手が投げる球に対しての反応だったり、そのコースにどういうふうにバットを出せるかとか。オープン戦の時期は結果はそんなにこだわっていない。あくまでもシーズンにいい活躍をするためだと思うので。そういう思いで(オープン戦は)やっていますから」

どんなに成績が下降しようが周囲が不安を漏らそうがオープン戦は「調整の場」。結果より自らの課題を粛々とこなすことを最優先する長距離砲だけに、本人にしてみれば「心配ご無用」と言ったところなのだろう。

石井監督も「心配はしていない。どうやって打席を踏んでいくか、というところを本人もシーズンに向けて考えていると思うので」と全幅の信頼を置いている。オープン戦は残り5試合となったが、本人にとっては十分過ぎる調整機会なのかもしれない。

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