監督・相棒・同僚たちが語るカージナルス・モリーナの偉大さ

カージナルス一筋18年目のシーズンを迎えるヤディアー・モリーナは、今年のスプリング・トレーニングでも絶大な存在感を発揮している。ゴールドグラブ賞を9度受賞するなど、球史に残る名捕手として不動の地位を築いているモリーナだが、決して現状に甘えることはない。マイク・シルト監督はモリーナについて「ロースター入りを目指す選手のようにあらゆることに取り組んでいる」と語り、長年の相棒アダム・ウェインライトも「彼のそうしたアプローチは真のプロだよ」と絶賛する。

モリーナは今年7月に39歳の誕生日を迎える。これまでは不動の正捕手として多くの試合に出場してきたが、キャリアの終盤を迎え、今季は後輩捕手たちと出場機会を分け合い、役割分担をすることにも意欲を見せている。球団4位のプロスペクトであるイバン・ヘレーラと積極的にコミュニケーションを取るなど、自身の後釜となる捕手の育成においても大きな役割を果たしている。

「ウチの若い選手たちは学ぶことや働くことが好きなんだ。そのことを僕は嬉しく思う。彼らは僕に挑戦してくるし、僕も彼らに挑戦している」とモリーナ。いつバトンタッチのタイミングが来てもいいように、自身の技術や経験を後輩に伝えることを惜しまない。マイナー契約で加入したタイラー・ハイネマンはカージナルスを選んだ理由について「子供のころに好きだったチームでプレーしたかった」だけでなく「モリーナから学びたかった」と話している。

救援右腕のジョン・ガントは「彼には他の人には見えていないものが見えている」とモリーナの洞察力を絶賛する。また、シルトは「今年のスローイングはここ数年で一番良いように見える」とモリーナの状態の良さを感じており、救援左腕のアンドリュー・ミラーも「(投手が)チェンジアップを投げても走者を刺せるんじゃないかな。彼の盗塁抑止力は本当に素晴らしい」と指揮官に同調する。

「彼がサインを出してくれるだけで、どんなボールであってもそれが正しいと確信できるんだ」とガント。投手に自信を与え、投手の実力を最大限に引き出すことができるのがモリーナが名捕手たる所以であり、その能力こそがカージナルスの強さの源であると言っても過言ではない。全盛期のように130~140試合でマスクを被ることはもうないかもしれないが、モリーナが健在でいる限り、カージナルスの強さが失われることはないだろう。

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