新潟市が区バスなどで2種類のキャッシュレス決済実証実験を開始

「新潟市らくらくチケレス実証実験」

新潟市は22日から、各区バスと市観光循環バスにおける2種類のキャッシュレス決済システム導入の実証実験を開始する。新型コロナウイルス感染拡大の要因となる接触機会の削減と利用者の利便性向上のほか、路線周辺施設との連携によるバス利用者の行動変容が期待される。

実証実験の1つめは「新潟市らくらくチケレス実証実験」と題した、乗車券のキャッシュレス決済化と路線周辺の施設で利用できるクーポン券を発行する試み。新潟市内各区バスでは現在、Suicaなど交通系ICを含むキャッシュレス決済が利用不可能であるが、スマートフォンで完結する決済を導入することで、利便性・安全性を向上させるとともに、地域内での周遊性を高め、利用者の行動変容を促す。

この実験は2020年11月11日に新潟市が日本ユニシス株式会社(東京都江東区)と締結した連携協定に基づくものであり、対象路線は南区バス(まちなか循環ルート)、秋葉区バス、新潟市観光循環バスの3路線。決済はクレジットカードとキャリア決済で可能で、加えてPayPayによる決済の準備も進められている。

南区バス(2019年9月撮影)

南区・秋葉区バスにおいては、スマートフォンでバス停やバス車内にあるNFC(スマートフォンや交通系ICに搭載されている無線規格)タグまたはQRコードを読み取ることで専用サイトへ移動し、サイト内だけで乗車券購入決済を完了できるように整備。新潟市観光循環バスにおいても、新潟交通案内所販売窓口にて同様の手順で1日乗車券を購入できる。

また乗車券の利用後、同専用サイトにて路線周辺施設で利用できるクーポンが発行される。こちらの利用も、店舗でのNFCダグまたはQRコードの読み取りにより可能だ。

南区・秋葉区バスにおける利用手順

実証実験の2つめは、北区バスと西蒲区バスにおけるPayPay決算の導入で、バス車内におけるQRコード読み取りでの運賃清算が可能となる。

北区バスはいわゆる“ジャンボタクシー”と呼ばれるワンボックスカーを利用したタイプのものであり、車内通路がないことから、設置型機器が必要となる交通系ICではなく、シートにQRコードを貼り付けるだけで完結するQR決済が採択されたという。また西蒲区においては高校生による区バス利用が多いことから、クレジットカードが必要なく、また若年層に普及率が高いPayPayの優位性は高い。

実証実験期間は両者とも、今年3月22日から2024年3月31日までの約3年間。利用率や乗降車データを収集しながら、期間終了後は上記の区以外でも導入を広げる計画だ。

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