「ミナリ」チョン監督 実写版手がける「君の名は。」に「最善を尽くします」 新海誠は「ミナリ」称賛

リー・アイザック・チョン監督(右)

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アカデミー賞6部門にノミネートされている、農業での成功を夢見てアメリカに移住した韓国人一家を描く映画「ミナリ」が、3月19日から劇場公開される。このたび、リー・アイザック・チョン監督から、監督を担当するハリウッド実写版「君の名は。」や「ミナリ」についてのコメントが公開となった。

チョン監督の半自伝的ストーリーである「ミナリ」。監督は幼少期、広大な大地が広がるアーカンソー州で育った。新海誠監督との共通点に田舎育ちを挙げたチョン監督は、「新海監督が意義深いと思っている部分は自分にとっても意義深いと自然に思えるのが良いと思っています」とコメント。「日本の皆さまにとって『君の名は。』は大切な作品であることをよく知っていますので最善を尽くします」とハリウッド実写版制作に意気込みを語っている。

オリジナルの「君の名は。」については、「とても神秘的で感動的な作品」と評し、「『君の名は。』は自然や大地に耳を傾け、どのように人に影響を与えているのかを受け入れていくというテーマ性も持ち合わせています。それは『ミナリ』にも共通していると思いました」とコメント。これまで日本の家族映画に影響を受けてきたことを語るチョン監督は、「実際に、僕は『ミナリ』を作った後は家族に対しても思いが明確になりました。皆さんも『ミナリ』を観た後に同じように感じてもらえるといいなと思っています」と、日本のファンに向けてメッセージを贈っている。

また、オリジナル「君の名は。」の新海誠監督は、一足早く「ミナリ」を鑑賞したことを自身の公式Twitterで報告。「良いもの観たなあ」と称賛し、「チョン監督にハリウッド版『君の名は。』を監督してもらえることが、あらためて幸せです」と喜びを語っている。

「ミナリ」は、ハリウッド実写版「君の名は。」の監督に抜擢されたリー・アイザック・チョンが務めた作品。タイトルの「ミナリ」とは、水辺に育つ韓国の芹(セリ)のこと。2度目の収穫のほうがおいしいとされており、成長した子供世代の幸せを願う親の気持ちが込められたタイトルとなっている。第93回アカデミー賞で、作品賞を含む6部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞)にノミネートされている。

【リー・アイザック・チョン監督 コメント全文】

■『君の名は。』について
新海監督も自分も田舎出身者で都会に出たという背景が一緒。なので、新海監督が意義深いと思っている部分は自分にとっても意義深いと自然に思えるのが良いと思っています。
日本の皆さまにとって『君の名は。』は大切な作品であることをよく知っていますので最善を尽くします。

映画を見た時はとても神秘的で感動的な作品だと思いました。
特に瀧が洞窟で三葉の人生に触れた時に共感を覚えました。
理由は、彼らは見た目などではなく、お互いが持つストーリーや人生に恋をするというのがとても深遠に感じたからです。
また、『君の名は。』は自然や大地に耳を傾け、どのように人に影響を与えているのかを受け入れていくというテーマ性も持ち合わせています。それは『ミナリ』にも共通していると思いました。

■日本の皆さんへ
『ミナリ』が日本で公開されることにとにかく感謝しています。
僕は小津安二郎監督はじめとした日本の<家族映画>は一番だと思っています。ストーリーテラーとしてインスパイアされたことは何度もありました。実際に、僕は『ミナリ』を作った後は家族に対しても思いが明確になりました。皆さんも『ミナリ』を観た後に同じように感じてもらえるといいなと思っています。

ミナリ
2021年3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
配給:ギャガ
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