「アロンソは手強い人物だからこそ気に入っている」とアルピーヌF1ボス

 アルピーヌF1チームは、要求が極めて高く、手強い人物であるとされるフェルナンド・アロンソをうまく管理していけるのかという懸念に対し、レーシングディレクターを務めるダビデ・ブリビオは、強い熱意を持つアロンソは前進を目指していくチームにとってまさに必要な存在であり、彼の能力を生かすために力を尽くしていきたいと語った。

 39歳のアロンソは、2年間の空白を経て、2021年、アルピーヌからF1に復帰する。今シーズン、アルピーヌとアロンソが表彰台の最上段に立つのは難しいとみられるが、彼は新たなスタートを切るチームとともにいずれ優勝争いに戻るという野心を持っている。

 アロンソは、政治的な動きをしがちで、チームにとって管理するのが簡単ではない人物であると言われることが多い。しかしブリビオは、アロンソの強い熱意はアルピーヌにとって必要なものであると考えている。

2021年F1プレシーズンテスト2日目 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

「初めて会話を交わした時、彼はとても普通の人物だと感じた」とブリビオは語った。

「ただ、非常に意欲が高い人間なのは確かだ。マシンとチームから最高のものを引き出すため、必要なものすべてを見つけて、それをまとめあげたいという気持ちが極めて強い。そういうことなのだ」

「彼はただ走るためだけに戻ってきたのではない。いい結果を出し、満足感を得るために復帰した」

「非常に要求が厳しい人物だ。だが私はそこを気に入っている。我々にはこういうドライバーが必要なのだ。最大限の結果を得るため、すべての要素をまとめあげたいという強い気持ちを持つドライバーがね」

「だから私としては、そういった姿勢やアプローチを歓迎する。当然のことながら、彼の能力とポテンシャルを活用するために、協力し合って、できる限りいい仕事をしていく必要がある」

2021年F1プレシーズンテスト フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

 今年40歳になるアロンソだが、F1で再び成功したいという大きなモチベーションを持っていることに疑いはないと、ブリビオは断言した。

「我々のチームは偉大なチャンピオンを擁している。彼がきわめて高い意欲を持っていると感じる」とブリビオは語った。

「彼は困難なスポーツに復帰しようとしている。彼が他の活動をしている間に、難しい環境になった。だが彼は、最も困難なチャンピオンシップに復帰し、すべてのライバルたちと戦うという野望を持っている。そのことは彼のモチベーションがいかに強いかを示していると言えるだろう」

「彼と話をしていると、そう感じる。どれほど懸命に努力しているか、復帰への意気込みがどれだけ強いかが分かる」

「彼は全力を尽くすはずだ。我々が優れたパッケージを提供できれば、彼は上位争いに加わることができるだろう」

 2021年プレシーズンテストで、アロンソは3日間総合で10番手タイムを最終日にC4タイヤで、チームメイトのエステバン・オコンは16番手タイムを初日にC4タイヤで、それぞれ記録した。

 テスト後、エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキーは、大きな問題もなく、大量の周回を走りきることができ、パフォーマンス改善が見られたと、ポジティブな総括を行っている。

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