「新型コロナウイルス」関連破たん【3月18日12:00 現在】

 3月18日は12時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が3件(倒産1件、弁護士一任・準備中2件)判明し、負債1,000万円以上の累計は全国で1,146件(倒産1,065件、弁護士一任・準備中81件)となった。
 月別では2020年9月以降、11月まで3カ月連続で100件超え。12月、1月は2カ月連続で100件を下回ったが90件台と高い水準で推移した。2月は月別最多の122件に達し、3月も18日時点で早くも88件が判明。2月の件数をさらに上回る見通しとなった。
 なお、倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計54件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計1,200件となった。
 負債1,000万円未満を含むコロナ関連破たんは2021年2月2日に累計1,000件、同月26日に1,100件を超えたが、発生ペースが加速し20日後の3月18日に1,200件に達した。
 2021年1月以降継続してきた1都3県の緊急事態宣言の解除決定に注目が集まっている。だが、事業環境の悪化が続くなか、息切れ破たんや先行き見通し難によるあきらめのほか、休業していた企業の債務整理なども進み、コロナ関連破たんはさらに増加する可能性が高まっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上)~ 10都道府県で30件以上 ~

 都道府県別では、東京都が279件(倒産264件、準備中15件)に達し、全体の4分の1(構成比24.3%)を占め、突出している。以下、大阪府108件(倒産99件、準備中9件)、神奈川県58件(倒産55件、準備中3件)、愛知県が53件(倒産50件、準備中3件)、北海道が49件(倒産49件)、兵庫県が46件(倒産44件、準備中2件)と続く。
 18日は栃木県、東京都、石川県でそれぞれ1件判明した。都道府県別では10~20件未満が18府県、20~30件未満が3県、30件以上は10都道府県に広がっている。

コロナ関連破たん 震災関連倒産の約1.6倍のペースで推移

 東日本大震災時の関連倒産と比較すると、震災関連倒産(直接・間接)は、発生から13カ月(2011年3月-2012年3月)で、693件が発生した。
 一方、コロナ関連破たん(負債1,000万円以上、1,146件)は、同期間(2020年3月‐2021年3月18日)での発生件数が震災関連倒産の約1.6倍に達した。
 コロナ関連破たんの増加ペースが早まるにつれ、件数差は月を追うごとに拡大している。

コロナと震災

【業種別】(負債1,000万円以上)~ 飲食業が199件、アパレル103件、建設100件、宿泊70件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で199件に達した。緊急事態宣言の再延長の影響で飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が103件。また工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が100件に達した。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が70件と続く。
 また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が54件、食品製造業も38件と目立 ち、飲食業界の不振が関連業種に波及している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した1,125件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で401件(構成比35.6 %)。次に、1千万円以上5千万円未満384件(同34.1%)、5千万円以上1億円未満188件(同16.7%)、10億円以上が78件(同6.9%)、5億円以上10億円未満が74件(同6.5%)の順。
 負債1億円未満が572件(同50.8%)と半数を占める。一方、100億円以上の大型倒産も5件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1,065件の形態別では、破産が933件(構成比87.6%)で最多。次いで民事再生法が61件(同5.7%)、取引停止処分が59件(同5.5%)、特別清算が7件、内整理が4件、会社更生法が1件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した1,070件の従業員数の合計は1万5,495人にのぼった。
 1,070件の内訳では従業員5人未満が549件(構成比51.3%)と、半数を占めた。次いで、5人以上10人未満が210件(同19.6%)、10人以上20人未満が157件(同14.6%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 一方、2月は従業員50名以上の破たんが4件、3月もすでに3件発生しており、中堅規模以上の企業の破たんが徐々に目立っている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

日本地図20210318①

‌               (負債1,000万円以上)                  

日本地図20210318②

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

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