普段は“天然キャラ”も、マシンに乗れば闘争心むき出しの走りで魅せる山下健太【2021年SFドライバー紹介】

 2021年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月3〜4日に富士スピードウェイで開幕を迎える。第1戦を前に、2021年シーズンを戦うスーパーフォーミュラのドライバーたちのこれまでのレースキャリアやドライバーとしての特徴などを紹介する。今回は参戦5年目を迎え、スーパーフォーミュラ2勝目、そしてシリーズチャンピオン獲得を渇望する山下健太(KONDO RACING)だ。

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 今年で国内トップフォーミュラ5年目を迎える山下健太。4輪デビューを果たした2012年にスーパーFJもてぎ選手権を制し、翌2013年にはフォーミュラ・チャレンジ・ジャパンでシリーズチャンピオンに輝いた。

 2014年からトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)のサポートを受け、全日本F3選手権に参戦。毎年チャンピオン争いに絡む活躍をみせ、3シーズン目となった2016年にシリーズチャンピオンを獲得したほか、その年のマカオグランプリでも表彰台まであと一歩となる4位入賞を飾った。

 2017年には、念願のスーパーフォーミュラにステップアップし、近藤真彦監督率いるKONDO RACINGに加入。1年目はなかなか上位に食い込めないレースが続いたが、ちゃくちゃくと力をつけていき、参戦3年目となる2019年の第6戦岡山で初優勝を飾った。

 さらに2019年は大嶋和也と組んでスーパーGTで2勝を挙げる快進撃を披露。チャンピオンがかかった最終戦では関口雄飛とのコースオフするまで一歩も引かないバトルを制し、GT500クラスのシリーズチャンピオンを手にした。

 普段は“天然キャラ”という印象が強い山下だが、いざマシンに乗り込むと闘争心むき出しの走りをするのが特徴で、それを象徴する1戦として、今でも多くの関係者やファンの間で語り継がれている名勝負だった。

 この成績が評価され、2020年はTGR WECチャレンジドライバーに選出され、WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦し、ル・マン24時間レースも経験した。その兼ね合いで、スーパーフォーミュラは1レースを欠場することになったが、毎戦コンスタントにポイントを獲得していき、ランキング7位に入った。

 しかし、本人としてはスーパーフォーミュラでのシリーズチャンピオン獲得を最大の目標にしており、昨年は相当悔しいシーズンになったことは確か。2021年は再び日本を拠点にレースに集中し、開幕戦からトップを奪いにくる走りが見られることは間違いないだろう。

■スーパーフォーミュラ:2020年シーズン戦績

出場:6回
優勝:0回
2位:1回
3位:0回
ポールポジション:0回
エンジン:トヨタ
獲得ポイント:35
獲得有効ポイント:34
ランキング:7位

2021 スーパーフォーミュラ鈴鹿公式合同テスト 山下健太(KONDO RACING)
2021 スーパーフォーミュラ鈴鹿公式合同テスト 山下健太(KONDO RACING)

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