【香港】米運輸省、香港の航空乗員検疫措置に対抗[運輸]

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米運輸省は16日、香港航空最大手のキャセイパシフィック航空(国泰航空)に対し、米国便に関する資料を7日以内に提出するよう要求した。違法性や公共の利益を損なう影響がないか判断するためとし、米国内における香港の航空会社の運航を制限する可能性もあると警告した。先月から始まった香港政府による航空機乗員への検疫措置が、米航空会社の業務に重大な影響を与えていることへの対抗措置だという。18日付香港各紙が伝えた。

香港政府は2月20日から航空機乗員に対する検疫措置を強化。香港に駐在乗員を置く全航空会社に対し、香港に到着する乗員が香港の空港エリアから離れ市街に入る際に14日間の隔離と7日間の医療観察を受けることを義務付けた。

一方、米アラスカ州アンカレジを往復する乗員に対しては、全行動過程の閉鎖式管理を実施することで、医学監察のみとし隔離措置を義務付けていない。

米運輸省は、キャセイが同社の貨物積み下ろし拠点であるアンカレジで大規模な貨物運航を維持する一方、香港と米国の複数都市を結ぶ便が毎日多数ある米物流大手フェデックスは大きなコスト増を強いられていると指摘。フェデックスの香港駐在乗員は、アジア路線のみで従事しているため免除措置を受けられない。同社は香港に置いていた180人の駐在員を米サンフランシスコに移動させざるを得なかったという。

同省はまた、香港当局による政府間のコミュニケーション不足を指摘。サウスチャイナ・モーニングポストによると、在香港米国総領事館は香港政府に対し検疫緩和の検討案を建議し、2月26日には米当局が対抗措置に向けて行動を起こすと注意喚起したが、返答がなかったと説明した。

一方、香港政府運輸・住宅局は、米運輸省の指摘は根拠がないと反発。新措置は香港の防疫措置の一環であり、米企業に対する公平な競争環境の阻害には当たらないと反論した。さらに、米政府、フェデックスと緊密に連絡をとり、同社が直面している問題の解決方法を探っていると答えた。

キャセイは米運輸省から関連指示を受けたと回答。キャセイ自身も新措置により重大な影響を受けており、香港—米国便は平常時、週35~39便を運航していたが、現在は21~28便に減ったという。また、新措置は香港に駐在員を置かない航空会社には適用されないことを指摘した。

米運輸省の要請は、キャセイ傘下の格安航空会社(LCC)の香港エクスプレス(香港快運)や香港の航空大手、香港航空(ホンコン・エアラインズ)にも適用されるが、現在この2社は米路線を持っていない。