世界一受けたい授業 地球の歩き方編集長・宮田崇が語る「旅人に寄り添い続ける」ガイドブックの進化

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3月20日(土)よる7時56分〜8時54分 日本テレビ系で放送の「世界一受けたい授業」では、「実際に体験!コロナ禍の新たな旅オンライン海外ツアー」、「コロナ禍は特に要注意!あなたは大丈夫?“春うつ”対処法」…2つのテーマで授業をお届け。生徒(パネラー)には、板垣李光人、市來玲奈、鈴木浩介、みやぞん、山之内すずが登場する。

1時限目の授業「実際に体験!コロナ禍の新たな旅オンライン海外ツアー」には、地球の歩き方・編集長、宮田 崇先生が登場。

コロナ禍で海外旅行ができない今、新たな旅行サービス「オンライン海外ツアー」について、実際にスタジオでの体験も交えながら、魅力を紹介していく。

新型コロナウィルスが世界的に流行し、生活に大きな変化が生まれてからおよそ1年。海外旅行はおろか国内旅行すら以前のように自由にはしにくい今、旅行のガイドブックとして昭和54年(1979年)に創刊以来、100タイトル以上発売している「地球の歩き方」編集長の宮田崇さんに「地球の歩き方」がおかれている現状から、丁寧な編集の裏話までを伺った。

──新型コロナウィルス流行から1年以上経ちました。旅行業界は今、どういった状況なのでしょうか?

宮田氏(※以下略)「去年(2020年)の春頃は『10月には戻るだろう』と言われてましたけど、1年経った今も『今年の秋頃には』と言われています。ただそれもすごく希望的観測で、世界観光機関(UNWTO)などが出しているレポートでは、国際旅行者が2019年レベルまで回復するのには最大4年かかると言われてます。様々な憶測が出ては消えての繰り返しで、厳しいことは間違いありません。我々はこの状況が、秋に元に戻ろうが4年先になろうが何かアクションを続けていかなきゃいけないと思っています」

──具体的には今どんなことをされているんでしょうか?

「地球の歩き方編集部には、出版部門とウェブ部門があるんですが、出版部門に関しては実はコロナ禍の1年で新しい切り口の旅行ガイドブックを20冊ほど出版しました。国内のテーマモノで御朱印に特化したシリーズですとか、島旅に特化したもの、さらに世界の岩だけ、現役の指導者だけ、首都だけをテーマにした本がまさに3/18に発売されたばかりです」

──驚きました。逆にとてもお忙しい1年だったんですね。

「コロナが流行し始めた去年の1月ぐらいに『これはまずいぞ』と。海外のガイドブックの取材は、その時点でストップして、4月中旬には『海外旅行のガイドブックはしばらく作らないけど、みんなでテーマを決めて新しい書籍を作ろう』と話し合って、ずっと動いてきてたんですね。おかげさまで昨年の9月に出版した『地球の歩き方・東京版』は、いま実売部数で8万9,000部というガイドブックとしては異例の大ヒットとなりました。旅に行けないこの時期だからこそ買ってくださっている、旅が好きな地球の歩き方ファンの方たちが納得できる一冊だったんだなとありがたく思っています」

──いわゆる「東京ガイド本」は数多く出版されていますが、地球の歩き方・東京版が好評を博したポイントはどんなところだったのでしょうか?

「一番最初の編集会議で決めたのは、NOタピオカ屋。つまり『流行りは、やりません』という方針を謳いました。最先端のものはインスタだったりツイッターだったりで情報を拾えますけど、そうじゃなく紙媒体として『東京には昔から今に根付いている様々なことがある』『来てくれた人にきちんと東京を理解して帰ってもらいたい』ということをテーマにして作りました。『歴史』が描かれているところが大きな違いですね」

──コロナ禍での制作は色々と大変だったんではないでしょうか?

「東京版は本当は、東京オリンピック開催に合わせて、全国の書店さんで「東京フェア」を行うだろう、そこに地球の歩き方も参加しよう、と考えた商品でした。2019年の4月にスタッフに声をかけて、年内に取材はだいたい終わっていたんですが、緊急事態宣言が出て取材ができない時期を挟んでいたので、最終的には昨年9月の発売まで1年半かかりました。またコロナ禍とは別に、ガイドブックへの掲載許諾を頂く作業は大変でした。『お店の規模が小さいから』『営業時間が短いので今は常連さんだけに限定しているので』『そもそも休業中』などの理由で当初作成した掲載予定物件も大幅に修正、変更せざるを得なくなりました」

──スマホで何でも検索できるいま、『地球の歩き方』はどんな進化を続けていくのでしょうか?

「香港とかインドとか、旅先でSiriに『お腹がすいた』みたいにめちゃくちゃ話しかけてるんですけど、最近はなかなか美味しい店を教えてくれるようになりました。2010年には、海外旅行にスマホを持っていくっていう発想はなかったですが今では当たり前です。この10年で『マジか!』と思った変化が5年、下手すると2年で起こるかもしれない。もうそれはイタチちごっこです。だから、地球の歩き方は共存すればいいと考えています。例えば、あるエリアに初めて旅行に行くひとが自分でインターネットを調べると、一説には100サイトにアクセスすると言われています。それをまとめたものが『地球の歩き方』です。他の情報を別に調べなくていいよ、ここに載っている順番で旅行すれば、調べるための何10時間は無駄にせず、1時間で済むよ、というところが強みだと思っています。

さらに地球の歩き方の場合って、友達のように横に寄り添ってくれるガイドブックだと思っていて、一緒に旅をしてくれる仲間であるような錯覚さえ起こす。現地の空港に着いてから宿に行くまでのアクセスであったり、『このタイミングになったら、これをやらなきゃダメだよ』と常に会話ができるんですよね。“現地に行って終わり”の他のガイドブックとはまったく違うと思っています。今後は、地球の歩き方としてデバイスを使って何ができるのか?いつまでも寄り添えるものは何なのか?いま試行錯誤しているところです」

創刊から40年以上も続く名ブランドでありながら、進化を続ける「地球の歩き方」。

新しいエリアなら2年をかけて取材し、人気のエリアなら年に1回改訂版を発行する。手間と旅への深い愛情によって支えられている安心安全なガイドブックとしていまも多くの旅人に寄り添い続けている。

最後に、コロナ禍が明けたらどうするか?と質問すると「たぶん『地球の歩き方』全員が、ありとあらゆる有給を使ってまずは旅に出ちゃうんじゃないですかね。うちの会社は間違いなく誰もいなくなると思います(笑)」と笑顔で即答。続けて、編集長の宮田さん自身は?と尋ねると「やっぱりインドに『帰ります』。子供がちっちゃいんですけど、ガンジス川を見せてないので、産湯がわりにちょっとつけてやりたいなと思って(笑)」と元・地球の歩き方インド編担当者らしく『帰省』への思いを語り、顔をほころばせた。

【番組概要】

<タイトル>

世界一受けたい授業

<放送日時>

3月20日(土)よる7時56分〜8時54分

【出演者】

MC 

堺 正章

くりぃむしちゅー

上田晋也

有田哲平

【ゲスト】

板垣李光人、市來玲奈、鈴木浩介、みやぞん、山之内すず

※50音順

【放送内容】

▼宮田 崇【みやた たかし】先生 実際に体験!コロナ禍の新たな旅オンライン海外ツアー

▼藤野 智哉【ふじの ともや】先生 コロナ禍は特に要注意!あなたは大丈夫?“春うつ”対処法

*提供画像 (C)NTV

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