緊急事態の解除が決定 東京都の専門家会議「年始超える急激拡大も」と懸念

政府は3月18日夜、首都圏の1都3県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言を予定通り、21日の期限で解除すると決定しました。緊急事態宣言の解除が決まった一方、東京都の新型コロナウイルスの感染状況を分析する会議では、専門家が「年末年始を超える感染の拡大も危惧される」と強い懸念を示しました。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「新規陽性者の増加比は100%を超えている。今後も変異株などで急激に感染再拡大の可能性がある。また、花見・歓送迎会、卒業旅行等の行事で例年通りに人の流れが増加すれば、年末年始を超える感染の急激な拡大も危惧される」と話しました。医療提供体制については「重症患者数は減少傾向が続いていたが、下げ止まりがみられる。今一度、実効性ある感染防止策を徹底する必要がある。感染の再拡大を想定し、病床、宿泊・自宅療養の体制確保を早急に検討する必要がある」と、重症患者数の下げ止まりを指摘しました。

夕方に行われた首都圏1都3県の知事によるテレビ会議でも、4人の知事全員が「再拡大への懸念」に言及しました。東京都の小池知事は「リバウンドをいかにさせないかが共通の最大のテーマになると思う」、千葉県の森田知事は「4月は花見もいろいろな行事もある。区切りをつけるのは難しい。今が一番苦しいところで頑張りどころだと思う」、神奈川県の黒岩知事は「全体を見ると、本当に下げ止まっているのか、増え始めているのか分からない。解除に緊張感を持っている状況。この感覚を共有していきたい」と述べました。

1都3県の知事は緊急事態宣言が解除された後の3月22日から31日までを「段階的緩和期間」として飲食店に対して午後9時までの営業時短要請を行うなど、1都3県が共同で対策を進めることを確認しました。

© TOKYO MX