知って予防、みんなで安心 3月24日は世界結核デー

 「古くて新しい病気」とも言われる結核。昔の病気と思われがちだが、今でも世界の死亡原因のトップ10に入る病気であり、エイズ、マラリアと共に三大感染症の一つとして、世界各国で制圧のための取り組みが進められている。

 厚生労働省によると、2019年に日本では1万4460人が新たに罹患している。

どんな病気?

 結核菌によって、主に肺に炎症が起こる病気で、主な感染経路はくしゃみや咳の飛沫から菌が飛び散る飛沫感染や空気感染。

 初期症状は風邪に似ているが、咳や微熱といった症状が表れず、気づかないうちに進行してしまうことがある。

発病しやすいのはどんな人?

 日本では新たに結核と診断された人の約7割が65歳以上だ。また、喫煙習慣がある人や糖尿病患者、免疫力の弱い人は、発病のリスクが高くなる。

 さらに、80歳以上は高齢化による免疫力の低下に伴い、結核を発病する危険性が、ほかの年齢に比べて約5倍高くなっている。

予防法は?

 適度な運動、十分な睡眠休養、バランスの良い食事など健康的な生活が、様々な感染症に対する抵抗力をつけるのに有効だ。そして、早期発見のためにも、定期的な健診を受けよう。

治療法は?

 診断後、6~9カ月間の服薬が必要。「症状が消えた」と自己判断で服薬を中止すると、完治せず菌に抵抗力がつき、薬の効かない「耐性結核菌」を作り出すこともある。

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 かつては「国民病」と言われ恐れられた結核は、現代では「治る病気」となった。治療費用は公的負担が受けられるので、心配な時は近くの保健所に相談しよう。

 早期発見が重症化と周囲への感染予防にもつながる。タンのからむ咳や微熱、体のだるさといった症状が2週間以上続く場合、医療機関などを受診しよう。

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