ラッパー小林勝行 躁うつ病、介護職、信仰する宗教 すべての喜怒哀楽をラップに 「寛解の連続」予告編

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ラッパーの小林勝行を追ったドキュメンタリー映画「寛解の連続」(4月23日劇場公開)の予告編が公開となった。

小林勝行は、兵庫県神戸市出身のラッパー。2011年に発表したファースト・アルバム「神戸薔薇尻」で日本の地方都市に生きるアウトローの半生を生々しく描き、一部の批評家やリスナーから熱狂的な支持を集めた。その後、抱えていた躁うつ病の症状が悪化した為に活動を休止。医者から「一生完治することがない病い」と診断された小林は、隔離病棟での生活を余儀なくされた。

予告編では、病に襲われた当時やそれ以前の記憶を回想しながら、次回作のアルバムの制作にむけ歌詞(リリック)を書く小林の姿、介護の職に就いた小林が働く姿や「ダイレクトに人に必要とされる仕事をしてるから、いいことやんか」と語る姿、自身の信仰する宗教を楽曲に取り入れることについて「俺は言うからな。これ(信仰する宗教)のお陰で救われたって。それこそがラッパーだ」と自身の決意を力強くカメラに語る姿などが切り取られている。

予告編の後半では、ミュージシャン・曽我部恵一の「生きることと書くことと歌うことをまっすぐな軌跡で結ぶ。そのとんでもなく難儀な仕事を独りで成し遂げようともがくラッパー。その姿は眩暈がするほど魅力的だ」と、小林勝行というラッパーの魅力を語ったコメントが挿入されている。そして、小林の楽曲と共に日常の断片が映し出され、「自由になったら、すぐに遊ぼ」というキャッチコピーで締められている。躁うつ病、介護職、信仰する宗教、すべての喜怒哀楽を赤裸々にラップする小林勝行の一端が映し出されている。

「寛解の連続」は、退院後にラッパーとして復活するまでの一部始終を追った作品。隔離病棟での記憶、介護の仕事について、幼いころから信仰する宗教のことなどが語られる。そして、自室にこもり真剣に自らと向き合うリリックを書く姿、それを楽曲としてレコーディングする姿などが捉えられている。タイトルに含まれている「寛解」とは、病気の症状や徴候が一時的に軽快した状態や、見かけ上は消滅して正常な機能に戻った状態を指し、病とともに生き続ける小林の生の記録となっている。

【作品情報】
寛解の連続
2021年4月23日(金)よりアップリンク渋谷にて公開
配給:ブライトホース・フィルム
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