日産自動車(横浜市西区)は19日、3大学と連携し、オンライン上の研究所「交通安全未来創造ラボ」を創設したと発表した。高齢ドライバーの運転操作ミスによる交通事故の削減を掲げ、データの収集や分析のほか、身体機能の低下を招く原因の研究を進める。
新潟大学(新潟市)と北里大学(東京都)、相模女子大学(相模原市南区)の准教授3人が特別研究員を務める。五つの研究テーマを設定し、高齢者の身体機能測定や実車での走行実験によってデータを集めるとともに、運転時の視線解析などにも取り組む。
日産によると、高齢ドライバーの運転操作ミスは、認知力や筋力、視覚といった機能の低下が関連し合って起こるという。ラボではこの関連性をより詳細に解析し、さらに背景要因として高齢者の生活習慣や周辺環境、地域社会とのつながりに至るまでを調査する。
日産と新潟大は2018年にプロジェクトを立ち上げ、交通安全活動を展開してきた。ラボはこの活動を拡大した取り組みという。
日産の担当者は「高齢ドライバーがより安全に運転するための研究を進めていく」としている。