ソフトバンク石川を〝開幕投手の呪縛〟から解放した王会長の「重い言葉」とは

王会長(手前)から声を掛けられ笑顔の石川

初の開幕投手に向けて大きな弾みがついたことだろう。ソフトバンクの石川柊太投手(29)が19日の広島戦(ペイペイ)で4回を3安打無四球無失点、6奪三振の快投。オープン戦最後の登板を盤石の投球で締めくくった。

見事に〝王ゲキ〟に応えた。前回12日のヤクルト戦(神宮)では6回途中9安打4四球5失点と大乱調。被打率の低い石川らしくない投球となった。初の大役にも普段通りに投球すると口にしてきたが、意識しない方が無理というもの。工藤監督も「伝えてから少し意識しているのかな…とも見えてます」と気にかけていた。

そんな中で今回登板の2日前、右腕にゲキを送ったのが王球団会長だった。石川によると「プレッシャーをどんどんかけていけ。プレッシャーからは逃がれられないんだから」と野太い声で力強く言われたという。この言葉が響いた。「どう頑張ってもプレッシャーからは逃げられない。そこに立ち向かうというところで、自分にプレッシャーをかけないようにしないように」。開幕投手を任されたヒリヒリ感を受け入れ、この日は本番モードで臨んだ。

登板前の練習中にも、王会長が声をかけてくれた。石川は「『結果は半か丁かなんだから。いい目が出ることだけを考えて努力して、その先は分からないんだから腹をくくって』という話でした。ありがたいですね。自分が(開幕が)初めてということも踏まえて重い言葉をいただいた」と感謝しきりだ。

本番まで1週間。心も体も準備は整った。球界きってのももクロ好きで知られる〝投げるモノノフ〟がチームを開幕戦勝利に導く。

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