人生の節目に笑顔の花を 諫早のウエディングプランナー 松本さん

マタニティーフォトの撮影現場でポーズを提案する松本さん=大村市内

 結婚式や出産など人生の節目を記録に残そうと、カメラの前で幸せな表情を浮かべる新郎新婦や妊婦らのそばで、まるで自分のことのように、うれしそうな笑顔で見守る。諫早市を拠点に活動するウエディングプランナーでMC(司会)の松本友恵さん(43)。結婚式だけでなく祝い事全般で会場などの手配や演出を手掛ける。
 2月、出産を間近に控えた女性と家族の撮影。記念になればと松本さんは家族おそろいのTシャツを用意していた。名前や年齢入りのオリジナル衣装。ユニホームのようでもあり、家族のつながりを強く感じさせる印象的な写真に仕上がった。
 演出を青でカラーコーディネートし、独身女性の数のブーケをそろえて投げるなどオリジナルにこだわった自身の結婚式をきっかけに、自分たちらしい式を望む人の手伝いができればと2001年、ウエディング業界へ転職。司会事務所でプランナーや司会者としての経験を積み、18年3月に独立した。
 修業時代を含め、これまでに200組の挙式を担当した。愛犬や愛猫を伴って挙式したいというカップルのために1カ月半かけて会場探しに奔走し、予算内に収めるため式場の飾りを手作りし、新婦が納得いくドレスに出合うまで100着以上の衣装合わせに付き合ったこともある。
 何もかもが毎回異なる。準備に時間や手間はかかるものの、風変わりな依頼にも松本さんは「面白そう、楽しそうと思うのが先ですね。むしろ課題が困難なほど燃えます」と笑う。人生の大きな節目で、妥協や後悔はしてほしくないという情熱と徹底した仕事ぶりが評判を呼ぶ。
 結婚式だけでなく出産や子どもの入学などの演出を頼みたいという声に応えようと今年1月、会社の屋号を「はなえむ」に変えた。昨年以降、コロナ禍で挙式そのものは激減したが、叙勲祝いやマタニティーフォトの撮影など依頼の幅は広がっている。
 次の目標は会社を介して挙式した人の横の縁をつなぐこと。「コロナが落ち着いたら同窓会のような集いを開き、家族ぐるみの新しい出会いを楽しんでもらえれば」。一輪でも多くの笑顔の花を咲かせるため、松本さんの奮闘は今日も続く。
 問い合わせは、はなえむ(電090.9729.9568)。

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