【センバツ】言葉選びにこだわる福岡大大濠・八木監督が「対策」を使わないワケ

八木啓伸監督

第93回選抜高校野球大会(甲子園)は21日、予定されていた第3日の全3試合が雨天のため中止となり、22日に順延となった。第2試合は昨秋の九州大会決勝と同一カードが実現。大崎(長崎)へのリベンジに燃える福岡大大濠(福岡)の八木啓伸監督(43)は、ナインが大一番で最高のパフォーマンスが発揮できるようにあらゆる面で気を配ってきた。八木流の言葉選びがその一つだ。

昨秋の九州大会決勝では、ともにエースの登板を回避。それだけに「エース対決」による再戦に注目が集まっている。福岡大大濠陣営も大崎のエース右腕・坂本安司投手(3年)の登板を念頭に準備を進めてきた。ただ、ここで八木監督は「坂本対策」という表現を使うことを自らに禁じた。
「対策、対策と言うと、どうしても選手たちが頭でっかちになるんですね。ですから、坂本君をどう打ち崩すか、必要な部分だけを(的確に)伝えてきました。(明日も)狙い球を絞るとか、ボール球を振らないとか、シンプルに伝えたい。『対策』とは言わないように、ですね」。対策と聞くと身構えてしまう。そうではなく、肩の力を抜いて、こちらから仕掛けるくらいの気持ちで打席に立ってほしい――。そんなメッセージが込められていた。

伝え方や言葉選びで選手の理解度やインプット量は変わる。用意周到な八木流で、まずはライバルを討つ。

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