【ノア】〝野獣〟藤田和之が拳王からGHCナショナル王座奪取 次戦は杉浦の挑戦を受諾

藤田(上)は拳王から文句なしの3カウントを奪った

21日のノア・後楽園ホール大会で、〝野獣〟藤田和之(50)が、GHCナショナル王者の拳王(36)を破り、王座奪取に成功した。

7日の日本武道館大会で、藤田が「先輩」と慕う〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンが拳王の王座奪取に失敗した。その試合後、カシンを足蹴にしながら次期挑戦者に指名してきた拳王に藤田は、怒り心頭で敵討ちを誓った。その際、思わず自分もカシンを踏んでいたのだが…。

ゴング前から異様な空気が漂った。先に入場した藤田はカシンを除く杉浦軍全メンバーと共に入場。そしてなぜか藤田がリングインした後にカシンは合流した。続いて入場の拳王も金剛フルメンバーと共に登場し、リングで仲間をバックに拳を突き出す恒例のポーズを決める。するとその眼前に藤田が立ちはだかり会場をどよめかせた。

緊張感張り詰める中、試合が始まると早々に拳王から仕掛けるこれを藤田はラリアートで迎撃すると顔面蹴りを放ち、早期決着を図った。しかし拳王にかわされ〝視殺戦〟がスタート。約7分半にらみ合ったあと、グラウンドの攻防で客席を沸かせた。

その後、拳王の蹴りを胸板で何十発も受け止め「もっと打ってこい!」と叫んだかと思えば、ビンタで吹っ飛ばすなど野獣ファイト全開で一気に畳みかけるかと思われた。ところがパワーボムを返され四つん這いになったところに顔面蹴りを食らい大の字。PFS(ダイビング・フットスタンプ)で追撃され万事休す…かと思われたが、2発目のPFSをかわすと強烈なスピアからパワーボムで拳王は虫の息に。最後はうつ伏せになった王者の側頭部を無慈悲に蹴り上げて、文句なしの3カウントを奪った。

試合後、同じ杉浦軍の杉浦貴から「おめでとう。でも、俺は強い藤田和之と戦いたい」と挑戦を表明され、にらみ合ってから握手を交わした。

その後、藤田は「拳王? 1つだけ。男だよ。あいつは男だ。杉浦? 全然。基本は〝いつ何時〟だから。遺恨があってもなくても俺と手を合わせたいっていうなら誰でも相手にする」と杉浦の挑戦を受諾。2019年9月の参戦から初めてノアでのベルトに「高い山でも低い山でも、テッペンはテッペンだから。おれはリスペクトしてる。プライドを持って、このベルトを持ち続けるよ」と話した。その言葉通り、大会後には私服の下にベルトを巻いて会場を後にする姿が目撃されている。

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