【春場所】単独トップ!高安好調の裏に2人の横綱

照ノ富士を寄り切り単独トップに立った高安

〝遅咲きの桜〟を咲かせる! 大相撲春場所8日目(21日、東京・両国国技館)、小結高安(31=田子ノ浦)が関脇照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)を寄り切って1敗を守り、単独トップに立った。元大関同士の対決に「毎場所戦っている相手。結果を出したいという気持ちだけ」と振り返った。

新型コロナウイルス対策で力士の出稽古が禁止される中、高安には強力な稽古相手がいるのが強み。部屋で荒磯親方(34=元横綱稀勢の里)の胸を借りて精力的に汗を流してきた。兄弟弟子だけに、腹の探り合いや小細工もない真っ向勝負。場所前には「立ち合いも思い切り当たってくれてますし、土俵際も力を抜かないので、とてもいい稽古になっていますね」と手応えを口にしていた。

また、荒磯親方と先代師匠(元横綱隆の里)は30歳を過ぎてから横綱に昇進しており、先月で31歳になった元大関も老け込むにはまだ早い。度重なるケガで大関陥落や幕内下位も経験したが「先代親方には土俵際で残すことをよく教えていただいて、我慢する稽古をもう一回思い出して取り組んできた。今、身に染みて大事だったんだなとすごく感じる」と教えを胸に刻んでいる。

大関復帰を目指す照ノ富士にも刺激を受け「やることはお互い一緒。上を目指してやるだけ」。悲願の初の賜杯へ静かに闘志を燃やしている。

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