【MLB】大谷一問一答 渡米後初リアル二刀流で躍動「自分で点を取れば投球でも攻められる」

会見に臨んだエンゼルス・大谷翔平(画像はスクリーンショット)

「1番・投手」で4回5奪三振2安打1失点、2試合ぶり5度目マルチ安打で打率.636に上昇

■パドレス – エンゼルス(オープン戦・日本時間22日・ピオリア)

エンゼルスの大谷翔平投手は21日(日本時間22日)、アリゾナ州ピオリアで行われたパドレスとのオープン戦で「1番・投手」で先発出場した。初回の第1打席で中前打を放ち、9試合連続安打をマーク。5回の第3打席で左中間フェンス直撃打を放ち、2試合ぶりマルチ安打を記録した。投球では4回5奪三振2四球、2安打1失点で降板。米メディアによると、直球は101マイル(約162.5キロ)を計測した。

「1番・投手」での先発出場は日本時代の2016年7月3日のソフトバンク戦以来1722日ぶり。まず打撃では初回先頭で左腕スネルから中前打を放ち、5回1死では左中間フェンスに直撃する一打を放った。オーバーランしたところでタッチアウトとなったが、2試合ぶり5度目のマルチ安打を記録。2打数2安打1四球でオープン戦は打率.636、OPS1.836に上げた。

投げても圧巻の投球を見せた。初回1死三塁から遊ゴロの間に先取点を献上したものの、3回1死一、二塁のタティスJr.の3球目ファウルでは101マイル(約162.5キロ)を計時。このピンチを切り抜け、4回2四球5奪三振、2安打1失点。オープン戦の防御率7.88となった。

球団によれば、レギュラーシーズンで先発投手が1番で先発出場するのは1916年以来105年ぶり。登板後の会見で、大谷は投打のパフォーマンスを振り返った。

――DH解除して試合に臨んだ。
「DH解除したよりも1番打者として出ることがあまりなかった。1番としての仕事は出来たかなと思います」

――疲労や疲れを感じるか。
「そんなことはないですね。準備も向こうのスタジアムで10分ぐらいケージで打ってからしか来てないので。そんなに4打席に立っただけです。塁にはいましたけど、そんなに。盗塁をしたわけではないので特にはなかったかなと思います」

――シーズン中も投打でやりたいか。
「自分自身で打って点を取るなら、それだけで楽になるんじゃないかなというか。取ってもらった点数はどうしても大事に大事にしたがるところがあると思うんですけど。もし自分で点を取れるなら、自分の役割をやったという自信もあると思うので、よりアグレッシブにマウンドでも攻められると思っています」

タティスJr.への163キロも反省「ボールゾーンの釣り球になれば、もっといい結果になった」

――投球を振り返って。
「狙いをいった時に三振を取れたところは良かったですし、逆に投げ損じもあったので。悪かったのは投げ損じと無駄な四球が一番(の反省)かなと思います」

――真っすぐの制球がたまに乱れた。
「置きにいった球は良くないというのは、ずっとあるにはあるんですけど。ランナーがいる場面でセットに入って、スライドステップでしっかりといった時の方がまとまりがあるのかなという感じがするので。常に置きにいくことなく、しっかり振れている時はいいんじゃないかなと思います」

――チームが先行で投げる前に打席に入った。ホーム、ビジターではどちらがいいか。
「どうですかね、特に何も感じてないですかね。ホームはそのまま作った状態でいけるので、より自然に入れるのかなと思いますけど、特にやりづらいなということはないかなと思います」

――ここ2年間投げていない。腕の力の入り具合は。
「いいとは思いますね。ただ、長いシーズンで、100何十試合やる中で、自分が20試合、30試合登板する機会はこっちではなかったので。そこはやっていく中でしかないのかなと。やるしかないなと思います」

――アメリカに二刀流として来た。今年見せることを楽しみにしているか。
「そうですね。そうなるように頑張りたいなと思ってこっちに来ましたし。逆に2、3年間そういう活躍できなかったというのは期待されていただけに不甲斐ないなという気持ちはもちろんあったので。頑張りたいなと思います」

――3回のタティスJr.で101マイルが出た。投球バランスは。
「悪くはなかったんですけど、もう少し真ん中の高めのボール球かぐらいを狙って投げているので。それが引っかかって真ん中にいっているので。球威があるのでファウルにはなったんですけど、そこが狙い通り、ボールゾーンの釣り球になれば、もっといい結果になったんじゃないかなと思います」

「シーズンで、もしかしたらやる可能性がある。ぶっつけ本番でやるよりは」

――投球で力を入れるところ、抜くところの調整は。
「それはもう長い回になればなるほど、全力で全部いけばいいというわけではないので。ある種、計算しながら、しっかりと投げれるのが先発投手じゃないかと思うんですけど。ある程度、ゲーム前に考えることっていうのもあると思いますけど、なかなか予定通りにいくことの方が少ないですし。臨機応変にここは抜きどころだなと思った時に抜きながら、でもしっかりと球数をセーブしながら抑えられるというのが一番いいんじゃないかなと思います。狙った時にしっかり三振を取れるのもそれも1つの仕事かなと思っています」

――タティスJr.への意識は。力を入れて投げているように見えた。
「意識というか良いバッターなので、やっぱり注意しないといけないなっていうのはあるかなと思うので。実際投げてみて最後もポップフライも僕の投げ損じなので、ラッキーだなっていうのは正直あるんですけど。それに対してもしっかりと良いアングルでコンタクトしにきているっていうのもありますし、ボール球を見送る時の姿勢もさすがだなと思うところがある。それは投げながらでも良い勉強になるかなと思います」

――低反発球の投げる方への影響は。違和感や違いはあるか。
「特にないですね。ボールが変わったかどうかというよりも、やっぱりアリゾナがちょっと投げづらいかなっていうのがあるので、どちらかというとその環境の違いの方が大きいかなというのはありますね」

――投打で同時に試合に出場するのは2017年10月以来。充実感は。
「向こうも打っていますし、ピッチャーの時に。特別なことはって感じですけど。さっきも言ったんですけど、1番打者として出ることがあまりないので、どちらかというと投手をやりながらというより、1番打者として、打線の1人としてどういう役割ができるのかなっていうところの方が大事かなと思います」

――投打で出ることになった流れや経緯は。
「いつ、というよりかはシーズンでもしかしたらやる可能性もあるので。どちらかというと、ぶっつけ本番でやるよりは、ある程度流れも分かっている方がいいと思いますし、チームとしても1番で入った時にどうなのかあると思うので、把握しておきたいっていうのがあるんじゃないかなと。いつっていうよりは開幕する前にやった方がいいよねっていう感じで話してはいましたね」

「僕が相手でもDHを外されて打席に来られたら投げづらい」

――今までリアル二刀流の話し合いはできなかった。
「正直1年目投げてはいましたけど、春先のキャンプも全然打てなかった。前半戦、公式戦では打ち始めましたけど、正直、実力なのかどうなのかっていうのはチームとしても見定めるのがあると思う。1年目2年目、打者として多く出て、ある程度成績を残したところで、バッターとして評価されているのかなっていうところも感じます。だったら投げた時に打った方がいいよねということじゃないかなと思いますね」

――日本では投打同時出場時の成績が良かった。
「僕の成績が良い云々というよりか、相手としてやりづらいのかなというのが正直なところかなと思います。僕が相手でもDHを外されて打席に来られたら、正直投げづらいというか、やりづらいのかなっていうのがある。もちろん四球を出すわけにはいかないですし、かといって甘く攻めたら、もしかしたら打たれる可能性もある。そういうところじゃないかなと思っています」

――最速101マイルを出した。球速が上がる中で3試合投げて打者の反応は。
「基本的には真っすぐはやっぱり狙いに来るものだなっていうのはあるので。特に95マイル以上のピッチャーは大体そんな感じかなというのがあるんですけど、そこでファウルを取れるかどうかっていうのが一番大事。カウント球から全て空振りを狙いにいくのではなく、ファウルを打たせる感覚が大事なのかなと思う。そういうところで無駄な四球はありましたし、もっと簡単にいくところで与えている四球もあるので。そこさえしっかりできればもっともっといいリズムで投げられるんじゃないかなと思っていますね。逆にランナーがいる時は良い球いっていましたし。ランナーがいない時の方がやっぱり自分の中でどこか気が抜けているところがあるのかなと思います」

――打席では2安打。左腕スネルと対戦した。
「僕の中ではやっぱり2打席目が良かったですね。追い込まれ方も良かったですし、追い込まれてからの四球を選ぶ姿勢も良かったので。そこが一番自分としては良かったところかなと思っています」(Full-Count編集部)

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