広島・堂林 真の主力になるために“昨年の再ブレークのコツ”を継続

左前打を放った堂林

広島・堂林翔太内野手(29)の開幕一軍が決定した。コンディション不良のため欠場が続いていたが、21日に行われたソフトバンクとのオープン戦最終戦(マツダ)に「7番・三塁」で7戦ぶりに先発出場すると、走攻守で躍動。3打数1安打と数字を残し「久々だからという甘えなしに結果を求めて臨んだ。もう体のことは心配ない」と全開を宣言。佐々岡監督は「攻撃、守備全部に関して問題ないのでよかった。大丈夫ということで」と開幕にゴーサインを出した。

並々ならぬ覚悟でシーズンに臨む。高卒3年目だった2012年に全試合出場で14本塁打を放ちブレーク。しかし、残した数字や周囲の期待とは裏腹に「1年間我慢して使ってもらったが、方向性もはっきりとしていなかった。前に進んでいるという実感があまりなかった」と自信や確たる技術をつかむまでには至らなかった。不安が的中してしまう形で翌13年は結果を残せず、それ以降は下降線をたどった。

それでも腐らずにコツコツと努力を続けたことで昨年再ブレークを果たした。ただし、同じ轍を踏まないためにも堂林は「あの当時は経験したことがその後につながっていなかった。去年までやってきたことを無駄にしないためにも今年が大事だなという思いがある」と以前のような“一時の活躍”に終わらず、真の主力選手となるために21年は是が非でも結果を出すつもりだ。

若きあのころと違い今は「去年はいろんな先輩や(鈴木)誠也に聞きながらやってこれた。今年もキャンプから変えずにやれている」と打撃に関して自分なりの“軸”ができつつある。30歳を迎えるシーズンでさらなる進化を見せたいところだ。

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