パイレーツが右腕・ライトとマイナー契約 貴重なナックルボーラー

日本時間3月22日、パイレーツはスティーブン・ライトとマイナー契約を結んだことを発表した。現在36歳のライトは招待選手としてメジャーのキャンプに合流する。2016年に自己最多の13勝を挙げ、オールスター・ゲームに初選出されたライトだが、2017~19年は合計4勝どまり。2018年にDV規定違反で15試合、2019年には薬物規定違反で80試合の出場停止処分を受けており、トミー・ジョン手術により昨季はプレーしなかった。

ライトは2006年のドラフトでインディアンスから2巡目(全体56位)指名を受けてプロ入りしたが、マイナーでの足踏みが続き、2011年にナックルボーラー転向を決断。2012年7月にラーズ・アンダーソン(2017年に高知ファイティングドッグスでプレー)とのトレードでレッドソックスへ移籍し、翌2013年4月に28歳でメジャーデビューを果たした。

2015年に5勝を挙げると、翌2016年には24試合に先発して156.2イニングを投げ、4完投1完封を含む13勝6敗、防御率3.33、127奪三振の好成績をマーク。特に前半戦は10勝5敗、防御率2.68と好調で、オールスター・ゲームに初選出された。しかし、2017年以降は故障やDV規定違反、薬物規定違反などで満足にプレーできないシーズンが続き、2019年10月にレッドソックスから解雇。トミー・ジョン手術を受けていたため、昨季はどのチームとも契約せず、リハビリに専念した。

今季は60試合制から162試合制に戻るため、どのチームも投手の層を厚くすることを目指しており、ライトもパイレーツで先発のデプス要員となる。ちなみに、パイレーツのベン・チェリントンGMはライトにとってレッドソックス時代のGMでもある。

メジャーリーグでは、ライトの登板が減少し、2017年限りでR・A・ディッキーが引退したため、ナックルボーラーは絶滅危惧種となっている。韓国球界で活躍したライアン・フィアベンドが2019年に2試合だけ登板したが、それ以降は野手が登板した際にチラホラと投げているだけ。ナックルボーラーの系譜を絶やさないという意味でも、ライトの復活に期待したいところだ。

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