TOYOTA GAZOO Racing、新車GRヤリス2台投入もトラブルで両車リタイア/全日本ラリー

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 3月19日から翌21日にかけて愛知県新城市を中心に、全日本ラリー選手権第2戦『新城ラリー2021 Supported by AICELLO』が行われた。TOYOTA GAZOO Racingが最高峰JN1クラスに投じた2台のトヨタGRヤリスGR4ラリーにとっては今戦がデビュー戦となったが、出場した2台ともに車両トラブルが発生し、両車リタイアとなっている。

 モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリーに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は今季、参戦7シーズン目を迎えた。

 2021年シーズン、チームは戦いの場を最高峰クラスのJN1に移すとともに、GRヤリスベースの待望の新車『GR YARIS GR4 Rally(GRヤリスGR4ラリー)』を初投入。あわせてシリーズ8冠を誇る勝田範彦と、コドライバーの木村裕介を新たに迎え、引き続き同チームから参戦する眞貝知志/安藤裕一組との2台体制を敷くこととなった。

 TGRにとって新城ラリーはホームイベントだ。新型コロナウイルスの影響で2021年の開幕戦『Rally of Tsumagoi』が中止となり実質的なシーズン開幕戦として実施されるとともに、2年連続の無観客開催となった今戦に向け、チームは昨年の最終戦唐津で0カー/00カーとしてGRヤリスGR4ラリーを走らせ、さらに今季に向けたテストも実施してきた。また、そこで発見された課題をクリアしてデビュー戦に臨んでいる。

 しかし、GRヤリスは競技初日の午前中の内に、2台揃って姿を消すことになってしまう。勝田/木村組はスタート直後のSS1で、眞貝/安藤組はSS2を追えた段階で車両トラブルを抱え、ともにラリー続行を断念することとなったのだ。

 TOYOTA GAZOO Racingは現在、データの解析と原因の究明に全力で対応しており、今回の経験を「もっといいクルマづくり」につなげられるよう、次戦に向けて準備をしていくという。

「まずは4人のクルーに大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。又、スポンサー様やGRヤリスのオーナー様、楽しみにしていただいていたファンの皆さまにも残念な結果となり、申し訳ありません」と謝辞を述べた豊岡悟志チーム監督。

「決して順風満帆にいくとは思っていませんでしたが、あまりにも厳しい現実に『自分たちは甘い。これが自分たちの今の立ち位置』と真摯に受け止めます」

「2度と忘れることのできないこの悔しさをバネに、次に向けて進んでいきます」

2021年シーズンのJN1クラスを戦う2台のGRヤリスGR4ラリー。左が勝田範彦/木村裕介組、右から眞貝知志/安藤裕一組

■エンジントラブルが主要原因か

 スバル陣営から移籍してきた勝田は「チーム全員がGRヤリスGR4ラリーを良くしようと、ずっと頑張ってきたのですが、残念な結果となりました。これが初戦の怖いところでもあります」とコメント。

「今後は上がっていくばかりですから、楽しみにしていただきたいですね。もし初戦でいきなり好結果が出ていたとしたら、そこに安心してしまっていたかもしれません」

「長い視点で見れば、この悔しさがきっと好結果につながるはずです。次戦は自分の得意なラリーですので優勝を狙っていきます」

 8号車をドライブした眞貝知志は「起きてしまったことは残念ですが、実戦だからこそ起こり得るトラブルから学びを得て、クルマを鍛えるための有意義な経験にしていきたいです」と語った。

「走ることができたSSでは良い手応えを得ることができました。私自身もまだ改善すべき部分がありますし、クルマにも伸びしろがあると感じました」

 リタイア原因はエンジントラブルだと思われる、と説明したGRプロジェクト推進部の土井崇司氏は「クルーの方には大変悔しいラリーになり、申し訳なく思っています」と述べた。

「詳細要因解析を急ぎ進めている状況です。我々は『もっといいクルマ』を作るという目標を掲げてGRヤリスの開発を続けてきました」

「実戦を走ると、テストでは起こらない事態が発生します。それこそがラリーに参戦する意義だと考えます。今回起きたことを真摯に受け止め、今後に活かしたいと考えています」

 リベンジを期するTOYOTA GAZOO Racingが迎える次戦、全日本ラリー第3戦は4月9~11日に行われる『ツール・ド・九州2021 in 唐津』だ。佐賀県唐津市を中心に開催される同イベントは今戦と同様に、無観客での開催が決定している。

新城ラリー2021に、2台のトヨタGRヤリスGR4ラリーで参戦したTOYOTA GAZOO Racing