スプレー缶残留ガスに引火 作業中の収集車火災 長崎市が呼び掛け 分別と穴開け 新年度を控え改めて周知

10日の車両火災で、ごみの中から見つかったスプレー缶など=長崎市賑町(市廃棄物対策課提供)

 今月、長崎市でごみ収集車内のごみが燃える火災が発生した。中身が残ったままのスプレー缶が原因とみられる。市は2018年11月にスプレー缶は穴を開けずに他の「燃やせないごみ」と袋を分けて出す方法に変更した。しかしその後、同様の車両火災は市内で4件に上り、市は「スプレー缶などは他の燃やせないごみと袋を分けて」と呼び掛けている。
 市廃棄物対策課によると、火災は今月10日午後0時25分ごろ、賑町で燃やせないごみの積み込み作業中に発生した。車内のごみが燃えたが、作業員4人にけがはなかった。焼け跡からスプレー缶が見つかり、ごみの圧縮時に散った火花が残留ガスに引火した可能性が高いとみられる。
 同市では長年、スプレー缶やガスボンベは、中身を使い切って穴を開けてから出す方法を採用していた。ただ、県外で穴開け作業中に火災が起き、市は18年11月から穴を開けない方法に変更。さらに、これまで他の燃やせないごみと一緒にしていたスプレー缶などは別の袋に入れるよう求め、別車両で収集するようにした。しかし、今回のように他のごみと同じ袋に入っていることもあるという。
 数本単位や中身が残ったままのスプレー缶については、各地域センターなどで回収する。同課は「新年度を控え、転入手続きの際などにごみの出し方を改めて丁寧に周知したい」としている。

 


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