クレア・ダンの新しい才能にチャンスを 「サンドラの小さな家」フィルダ・ロイド監督インタビュー映像

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住む場所を失ったシングルマザーが2人の娘たちのために再起する姿を描いた映画「サンドラの小さな家」から、フィルダ・ロイド監督のインタビュー映像が公開された。

フィルダ・ロイドは、英国演劇界で活躍する演出家で、ミュージカル「マンマ・ミーア!」の演出を手がけ、映画版で劇場長編映画を初監督。続く「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」では、メリル・ストリープにアカデミー賞主演女優賞をもたらした。「サンドラの小さな家」は、約10年ぶりの監督作で、アイルランド出身の舞台女優で映画界では無名に近いクレア・ダンが初めて書いた脚本の映画化作。クレア・ダンが長編映画初主演を果たしている。

ロイド監督は、オール女性キャストのシェイクスピア劇三部作でクレア・ダンの演技力を評価し、大役をキャスティングしていた。本作を監督することになったきっかけは、その舞台公演中のことだったという。「ニューヨークでの公演中、クレアに言われました。”私が書いている脚本を読んでくれない?意見を聞かせてほしい“と。彼女が初めて書いた脚本だと知っていたので、読んでみて衝撃を受けました。何より驚いたのは彼女が言葉と映像のバランスを理解していたことです。初めて脚本を書いた人とは思えないバランス感覚でした。セリフが驚くほどリアルでクレアのダブリンでの日常が表れていました」と、クレア・ダンの才能への驚きを明かしている。

当初ロイド監督は、自身がメガホンを取るつもりはなかったという。「最初は私が監督するとは思っていませんでした。アイルランド 人が監督すると思っていたんです。だから私は友人として意見を言っただけでした。そして脚本の開発が進んでいき、ある人が私に 言ったんです。“クレアが書いた役はすばらしい。スターにふさわしい役だ”と。私は思いました。”クレアが自分で演じるんじゃないの?”と。クレアの出演が保証されるなら私が監督したいと思いました。どんどん脚本に引き込まれ、意志が固まりました。そうしてクレアが主導権を維持できるようにしたんです」と、新しい才能であるクレア・ダンの出演を条件とし、結果としてクレア・ダンにチャンスが与えられたことを語っている。

ほかにインタビュー映像では、サンドラのキャラクター、撮影で実際にサンドラの家が建設されたこと、役者たちの演技のすばらしさなどについて語っている。

「サンドラの小さな家」は、「マンマ・ミーア!」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のフィリダ・ロイドが監督し、長編初主演となるクレア・ダンが脚本と主演を務めた作品。舞台を中心に活躍していたダンが、シングルマザーの親友が「アパートを追い出されて行き場がなくなる」と電話をしてきたことをきっかけに、本作の脚本を執筆。脚本を読んだロイド監督がほれ込み、ダンが主演することを条件に監督を引き受けた。Variety誌が選ぶ 2020 年ベスト映画第4位に選出されるなど、高い評価を受けている。

【作品情報】
サンドラの小さな家
2021年4月2日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:ロングライド
©Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020

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