【センバツ】大会最注目の市和歌山・小園健太が県岐阜商を完封! 本人が明かした〝6四球の理由〟とは…

県岐阜商相マウンドでガッツポーズを作る小園

要所で踏ん張った。市和歌山(和歌山)は「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)4日目の23日、第1試合で県岐阜商(岐阜)に1―0でサヨナラ勝ち。プロ注目の152キロ右腕・小園健太投手(3年)が初戦から好投を見せ、難敵を相手に9回4安打の完封勝利を飾った。

6四球の数字が物語るように立ち上がりから制球に苦しんだ。5回まで毎回走者を背負い、2回から4回までは得点圏への進塁を許した。

「凄く制球が悪かった初めての甲子園で緊張して舞い上がってしまい、フワフワした中で制球が定まらなかった。今年は甲子園練習もなく、マウンドがどのような視界なのか分からなかったので、初めて上がってみたら凄く広かった。それで球が上ずってしまった」

それでも最速147キロをマークした直球に多彩な変化球も織り交ぜ、決定打は許さなかった。圧巻だったのは3回の一死二、三塁としたピンチで自らのギアを引き上げた場面。2番・宇佐美(3年)にはフルカウントから外角いっぱいのスライダーで空を切らせ、続く3番・山本も146キロの直球を外角に決め、圧巻の3球三振。窮地を2者連続Kでしのぐと、中盤以降は尻上がりに調子を上げていった。

「バッターがストレートを待っている中で、今日は初回からスライダーがとてもキレていてカウントも取れていた。四球が多かったがしっかり要所要所を締めれたのは大きいと思う」

打線も県岐阜商の継投に苦しめられて投手戦の展開となったが、最後は9回一死一、二塁のチャンスから亀井がサヨナラ打を決めた。

試合後の半田真一監督(40)はエースについて「雰囲気にのまれたところもあったのではないか。それでも(好投したのは)各打者をきっちりと見て投げた結果だと思う」と労をねぎらった。

今大会ナンバーワン右腕が苦しみながらも引き出しの多さを見せつけ、評判通りの実力を満天下に誇示した。

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