羽生結弦 ネーサン・チェンをリスペクト「率直に、彼はすごい」

羽生結弦

フィギュアスケートの世界選手権(24日、スウェーデン・ストックホルム)に臨む五輪2連覇中の羽生結弦(26=ANA)が22日(日本時間30日)に公式練習を実施し、オンライン記者会見でライバルのネーサン・チェン(21=米国)についても言及した。

――今大会は対ネーサン・チェン、王座返り咲き、北京五輪の枠取りなどのテーマがある

羽生 まあ、枠取りに関しては最大限貢献したいなと思っています。あとそうですね、僕にとっては今のところそれだけですかね。この大会については。あと自分が目指してる良い演技を毎日一つずつ重ねていって、グラデーションのように良くなっていってくれればなと思います。

――これまでネーサンの演技を意識していた

羽生 率直に彼に対してすごい。新型コロナウィルスに対しての対策だとか、考え方っていうのがすごいものがあるなっていうか、しっかりしてるなっていう尊敬みたいなものがあって。もちろん彼みたいに僕自身も気をつけながら。ただ本来の試合とはちょっと違うような形で今回やっているので、とにかく自分の技ももちろんなんですけれども、注意するところはしっかり注意しながら、最終的に良い演技ができればいいなという感じで思っています。

――あまり対決という意識はない

羽生 そうですね。結果出てから考えればいいかなっていう感じと、そんなに今回、結果、結果という感じがあまりなくて、とにかく無事に、何の不安もなく日本に帰って、しっかり健康な状態でこの試合を終えられたらいいなというふうに思っています。

――世界中がまだ新型コロナウイルス禍の状態。その中でどんな演技を見せたいか

羽生 とにかく、今は自分ができることだっったり、今回滑るショートだったり、進めればフリーだったり、あったらエキシビ(ション)だったりすると思うので。とりあえず3つのプログラムをしっかり滑りたいなって思いますし、その3つのプログラムから、何か僕なりのこの世の中に対してメッセージのあるものにできたらなと思いますけれども、それよりもまずは自分が納得できる演技をすることが大前提だと思うので。しっかり今の自分の体と会話をしながら、整えながら最終的にそこまでたどり着いてこそ、皆さんに何か伝わる演技だと思うので、そこまでしっかり今やるべきことをやっていきたいという思いでいます。

――東日本大震災から10年と言うタイミングで世界選手権を迎える。その心境は

羽生 いろいろ思うところはありますし、僕に何ができるんだろうっていう考えももちろんあるんですけれども。震災のときに出したコメントが全てかなって僕の中で思っていて。やっぱり僕自身もいろいろ(4回転)アクセル挑戦したりとか、苦しいときもありましたし、大変だった時期とかもいろいろあったんですけれども。復興に関しては、その人の命とか人生とかがそこにあるので。無理矢理でもやらなきゃいけなかったり、戦わなきゃいけないこととか、いろいろあるんだろうなっていうことを考えてはいて。気持ちとしてはソチの記者会見のときに言ったことと、あまり変わらないかもしれないんですけども、僕はスケートをしているだけで直接皆さんに何かをしているわけではないので。何か10年だからこそとかではなくて、この時期のプログラムを通して、何かのメッセージだったり、何か心が動くきっかけになっていればいいなって思います。

――世界選手権の演技構成

羽生 とりあえず予定としては変更はないです。

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