サイ・ヤング賞のダークホース10人 マリナーズ・菊池も選出

メジャーリーグ公式サイトでは、アンドリュー・サイモン、サラ・ラングス、デービッド・アドラー、トーマス・ハリガン、ポール・カセラの5人がサイ・ヤング賞のダークホースとして各リーグから1人ずつ、合計10人をピックアップ。ダークホースの定義は曖昧だが、過去2年間のサイ・ヤング賞投票でポイントを獲得した投手やオールスター・ゲーム選出経験のある投手は対象外とされている。また、明らかにダークホースと呼ぶに相応しくない投手も除外された。

そうした条件の下で5人が選んだのは以下の10人。メジャー3年目のシーズンを迎える菊池雄星(マリナーズ)も選ばれている。

サイモン
ア 菊池雄星(マリナーズ)
ナ パブロ・ロペス(マーリンズ)

ラングス
ア ザック・プリーサック(インディアンス)
ナ イアン・アンダーソン(ブレーブス)

アドラー
ア ディラン・シース(ホワイトソックス)
ナ ケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)

ハリガン
ア ヘスス・ルザード(アスレチックス)
ナ シクスト・サンチェス(マーリンズ)

カセラ
ア トリストン・マッケンジー(インディアンス)
ナ フリオ・ウリアス(ドジャース)

菊池を選んだアドラーは、2年連続で防御率5点台という菊池のキャリアを振り返り、「一見すると、キクチのNPBからMLBへの移行は荒れているように見える。しかし、短縮シーズンとなった2年目の昨季、キクチは少ないサンプルではあるものの、大きな改善を見せた」と指摘。速球の平均球速が2.5マイル(約4キロ)アップしたこと(92.5マイル→95.0マイル)、速球の垂直方向のムーブメントが向上したこと、速球の空振り率が約2倍になったこと(15.9%→30.8%)、新たにレパートリーに加えたカッターが有効だったこと、改良したスライダーの空振り率も劇的に上昇したこと(25.9%→38.7%)などを紹介している。

その結果、「昨季の菊池は1年目と全く別の投手のように見えた」という。4つの効果的な球種を持ち、空振り率はメジャーの上位30%、被バレル率は同15%にランクイン。ゴロ率50%以上かつ三振率24%以上を記録した投手は昨季メジャー全体で8人しかいなかった(40イニング以上)。FIP(3.30)やxERA(3.37)といった疑似防御率はいずれも優秀な数値を記録。投球内容自体は防御率5点台の投手のものではなかった。これらを踏まえ、アドラーは「キクチはもっと優秀な防御率を残せる可能性がある。コマンドがさらに向上すれば、一流の先発投手として活躍するチャンスもあるだろう」と結論付けている。果たして菊池はアドラーの期待に応えることができるだろうか。

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