【春場所】悩める大関正代が5勝目「満足のいく踏み込みが見当たらない」

正代は多くの懸賞金を受け取ったが…

大相撲春場所10日目(23日、東京・両国国技館)、大関正代(29=時津風)は幕内妙義龍(34=境川)を肩透かしで下し、星を5勝5敗の五分に戻した。

立ち合いはやや遅れ気味で、腰も高くなったとところを押し込まれる展開。それでも左のいなしから体勢を立て直すと、最後は相手の押しをいなして白星をつかんだ。

今場所は立ち合いの活力から先手を取る相撲が影を潜め、受けに回るシーンが目立つ。前日にはその原因について「精神的なものなのか、技術的なものなのか、それともその両方なのか…」と歯切れの悪いコメントをしていたが、勝ったこの日も表情は晴れなかった。

「攻めきれなかったので、切り替えて肩透かしにいった。今日も押し込まれている。もっと立ち合いで当たりたいが、満足のいく踏み込みはちょっと見当たらない。今、できる立ち合いで勝ちにつなげられたらいい」

白星もなかなか〝特効薬〟にならない状況。悩める大関は「ここから終盤戦は落ち着いて(相撲を)取れたらいい」と前を向いたが…。

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