あの頃を振り返る名盤エッセイ『音楽の記憶――僕をつくったポップ・ミュージックの話』刊行!

株式会社自由国民社は、 2021年3月22日に書籍 『音楽の記憶――僕をつくったポップ・ミュージックの話』を刊行。

好きな音楽を聴いたときに、 特定の「人物」「場所」「時間」「できごと」を思い出す――そんな経験はないだろうか。本書は、 60年代生まれの著者が学生のころ、 あるいは大人になってから出会う音楽とそこに付随する「記憶」を綴ったエッセイ集。 単に名盤を解説するだけではなく、 著者が音楽に触れたときの感覚や、 その時周りに存在した「人」や「モノ」「空気感」が生き生きと描かれている。

大人になって離れ離れになってしまった友人との思い出の曲、 近所に住むお兄さんに教えてもらった曲、 「自分が嫌でたまらない」と考えていた思春期には共感できなかった曲など。 「自分にも似た経験があったなぁ」と共感したり、 「あの頃」の時代の雰囲気を追体験したりして、 さらに音楽が好きになる1冊だ。

目次

1.マーヴィン・ゲイ『アイ・ウォント・ユー』

マーヴィンの“夜の名作"は、 思春期の少年には“エロいソウル"

2.エアロスミス『ロックス』

倉庫でレコーディングされた名盤が思い出させてくれるのは、 クリスチャンの人たちとの思い出

3.フリートウッド・マック『噂』

コーヒーショップで出会ったクリスチャン・グループの彼はいまどこに?

4.クイーン『シアー・ハート・アタック』

交流のなかった従兄弟と、 NHKホールの喫茶店で意気投合した記憶

5.オフ・コース『オフ・コース1/僕の贈りもの』

“しらけ世代"のお兄ちゃんが住んでいた下宿にて

6.スティーヴィー・ワンダー『トーキング・ブック』

音楽体験の礎となった古いトランジスタ・ラジオ

7.ザ・ビートルズ『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』

ザ・ビートルズの名作に刻まれているのは、 中学時代の親友との思い出

8.ドゥービー・ブラザーズ『スタンピード』

ホスト・マザーのジョイスはいま……

9.イーグルス『イーグルス・ファースト』

16歳のときに思春期特有の悩みを共有していた、 不思議な女友だちの思い出

10.デレク・アンド・ドミノス『いとしのレイラ』

火事のあとかたづけをしていたときに響いていたギター・ソロ

11.エリック・カルメン『チェンジ・オブ・ハート』

トラブル続きだった日々を思い出させるポップなメロディ

12.ドクター・ジョン『ガンボ』

謎の留年大学生が教えてくれた、 セカンド・ラインの心地よさ

13.ジェイムス・テイラー『マッド・スライド・スリム』

ジェイムス・テイラーを聴くと思い出すのは、 喫茶店で知り合ったジェイムスのこと

14.サイモン&ガーファンクル『ブックエンド』

消息不明の親友との記憶を思い出させてくれる、 個人的にとても大きな価値のある作品

15.ウィリー・ネルソン『スターダスト』

あの不器用な人は、 いまごろどこでなにをしているんだろう

16.RUN DMC『キング・オブ・ロック』

既成概念を打ち壊した“新しいロック"

17.遠藤賢司『東京ワッショイ』

江口寿史バンドのメンバーとして、 幻のフォーク・シンガーと共演した夜のこと

18.トム・ウェイツ 『ハートアタック・アンド・ヴァイン(2018リマスター)』

地味ながらも染みる隠れた名作が思い出させるのは、 20代のころの大切な仲間

19.THE BLUE HEARTS『THE BLUE HEARTS』

あのころ「終わらない歌」に共感したソウルメイト、 チャーリーはいま……

20.マライア・キャリー『マライア』

思い出すのは、 南青山の空気と好きだった上司のことば

21.ニール・ヤング『グレイテスト・ヒッツ』

深夜の碓氷峠で、 トラックにパッシングされながら聴いた“Harvest Moon"

22.ニーナ・シモン『ボルチモア』

尊敬する人が旅立った日の夜に染みた、 ニーナ・シモンの隠れた名作

23.ドナルド・フェイゲン『KAMAKIRIAD』

緻密な音が思い出させるのは、 小さな商店街にあったレコード店の灯り

24.レッド・ツェッペリン『永遠の詩(狂熱のライヴ)』

深夜まで続いた男ふたりの“ロック飲み会"

25.エムトゥーメイ『ジューシー・フルーツ』

20年以上続くことになったDJイヴェントの源流はここ

26.Nas『Illmataic』

1990年代NYヒップホップ・シーンの重要人物に、 8時間も待たされた話

27.バド・パウエル『ザ・シーン・チェンジズ』

奇跡のピアノ・トリオが掘り起こしてくれるのは、 三鷹のジャズ・バーで人生を教わった記憶

28.ボビー・ブラウン『ドント・ビー・クルエル』

関西の友人を思い出させてくれるニュー・ジャック・スウィング

29.ノラ・ジョーンズ『ノラ・ジョーンズ』

単身上京してきた友人が連れて行ってくれた店で、 20年近く前に聴いた思い出

30.フィービ・スノウ『Phobe Snow』

息子が書斎に入ってきた、 誕生日の夜のBGM

© 有限会社ルーフトップ