LINEが個人情報閲覧問題を謝罪 中国の国家情報法施行などの潮目「我々は見落としていた」

謝罪するLINEの出澤剛代表取締役CEO

通信アプリLINE(ライン)の個人情報閲覧問題をめぐり、LINE株式会社が23日、報道関係者向け説明会を都内で行った。

同社は現状の課題認識として、中国で個人情報にアクセスする業務を実施していたことや、トーク上の画像・動画等を国外で保管していたこと、プライバシーポリシーで国名を明示していなかったことの3点を上げた。

LINE株式会社代表取締役CEO・出澤剛氏は「ユーザーの皆様にご迷惑とご心配をおかけしており、心からお詫び申し上げます。多くのユーザーの皆様からの信頼を裏切ることになったことを非常に重く受け止めている」と述べた。

今後の同社の取り組みは、中国からの完全アクセス遮断と業務終了、トークデータの完全化国内移転。透明性の強化としてユーザー向けプライバシーポリシーの改訂、データやセキュリティのガバナンス体制と情報保護の強化を明かした。

また、政府や自治体で普及しているLINEを活用した行政サービスについては、政府自治体向け公式アカウントデータ保管やデータアクセスを完全国内化し、自治体向けコロナワクチン予約システムを完全国内で開始するとした。

LINEメッセンジャー(トーク)画像・動画・ファイルのデータ管理は6月までに、LINE公式アカウントのデータ管理は8月までに、日本国内のデータセンターへ移転予定。プライバシーポリシーはデータ移転先の可能性のある「国名、および、目的」を明記し3月29日の週に変更する。

中国では国家情報法で政府への情報提供が義務付けられ、データが中国政府に吸い上げられるリスクがあることも問題視されているが、出澤氏は「中国で国家情報法が施行された2017年のタイミングでの潮目の変化であったりとか、そういったところを我々は見落としていた。ユーザーへの配慮が足りなかった」とし「LINEの開発体制をグローバルでやってきたが、その中で我々が見落としてきたことが多かった。非常に反省をしている」と述べた。

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