【センバツ】プロ注目の市和歌山・小園 「天才だ」「華がある」初戦完封にスカウト陣うっとり

評判通りの快投を見せつけた市和歌山のエース・小園

第93回選抜高校野球大会の第4日第1試合でプロ注目の好投手、市和歌山(和歌山)の小園健太投手(3年)が登場。県岐阜商(岐阜)相手に4安打無失点の完封デビューを演じた。序盤は制球に苦しむ場面もあったが、中盤からギアチェンジし、外に逃げるスライダーとストレートで快投を披露。県岐阜打線を封じ込め、9回の亀井(3年)の劇的サヨナラ打を呼び込んだ。

小園は「初めてのマウンドでスタンドが広く、戸惑って球が上ずった。雰囲気に慣れてきてからは変化球でカウント取りながらまっすぐで押しました。今日はスライダーがとてもキレていた。甲子園は自分に合ったいいマウンドでした」と130球を振り返った。

前評判に違わぬ好投にネット裏のプロスカウトも「見てる中ではトップクラス。変化球、まっすぐとも指先にしっかり力が伝わって同じリズムで投げれている」「大会ナンバーワン。マウンドさばきも雰囲気を持っている。ドラフト上位候補になってくる」とうなるばかり。

中には「天才だ。ハイカラな雰囲気があり、力まずにすべてのボールを丁寧に投げられる。フォームもきれいで華がある。そんな高校生いないし、プロにもいないタイプ。昨年から順調に成長しているし、ミルフィーユのように経験を積み重ねて厚みを増している。この先の注文なんてないですよ」とまで絶賛する声も…。

この日は緊張もあって6四球だったことで「力を入れて投げると、バランスが崩れて体が流れてしまう。もっとコントロールを安定させないといけない」との指摘もあるが、別のスカウトは「気にすることはない。流れの中で誰しもあることだし、緊張しているようには見えなかった」と一笑に付した。

「次はしっかりストライク先行で打たせて取る投球をしたい」と小園。初戦にサヨナラ勝ちして勢いに乗る明豊(大分)相手にさらに「厚み」を増した投球を見せる。

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